ハルキウへのクラスター爆撃 (2022年2月)

2022年2月28日、ロシアによるウクライナ侵攻の最中、ハルキウ市は悲劇に見舞われました。ロシア軍は同日、ハルキウ市内の住宅地3箇所に対し、BM-21グラート多連装ロケット砲からロケット弾を発射しました。この爆撃により、9人の市民が命を落とし、37人以上が負傷するという甚大な被害が発生しました。

犠牲者のうち4人は、夜間外出禁止令下でありながら、シェルターから水を求めて買い物に出かけた際に命を奪われました。また、両親と子供3人からなる家族は、爆撃を受けた際に車内で焼死するという悲惨な状況でした。攻撃は、インドゥストリアリヌイ地区とシェフチェンキフスキー地区の住宅や遊び場を標的としており、午後2時23分には市内で爆発が記録されました。

この爆撃について、国際的な人権団体であるヒューマン・ライツ・ウォッチ（HRW）は徹底的な調査を行いました。その結果、ロシア軍がBM-30クラスター爆弾を使用したことが判明しました。クラスター爆弾は、空中で多数の子爆弾を拡散させる兵器であり、広範囲にわたる無差別な殺傷能力を持つため、国際条約であるオスロ条約によって使用が禁止されています。HRWの調査によると、爆撃現場から半径400メートル以内には軍事目標は存在せず、この攻撃が明らかに人口密集地域を対象とした無差別攻撃であったことが示唆されています。このことから、HRWは本件が戦争犯罪に該当する可能性が高いとの見解を示しました。

アムネスティ・インターナショナルもまた、ロシア軍が対人地雷や9N210/9N235クラスター爆弾を繰り返し使用している証拠を発見しました。これらの兵器は、その無差別性からオスロ条約やオタワ条約で禁止されています。これらの事実から、ロシア軍が国際法を無視した攻撃を繰り返していたことが明らかになりました。

この爆撃は、ハルキウ市民だけでなく、国際社会全体に深い衝撃を与えました。民間人を標的とした無差別な攻撃は、いかなる理由があろうとも許されるものではありません。ハルキウへのクラスター爆撃は、戦争における非人道的な行為の象徴として、歴史に刻まれるでしょう。国際社会は、このような悲劇が二度と繰り返されないよう、強く監視していく必要があります。

関連情報として、下記も参照ください。

ロシア連邦の戦争犯罪
ハルキウへのクラスター爆撃 (2022年3月)
* ハルキウへのクラスター爆撃 (2022年4月)

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