ハルトマーギーン・バトトルガ

ハルトマーギーン・バトトルガ（Khaltmaagiin Battulga、モンゴル語: Халтмаагийн Баттулга、1963年3月3日生まれ）は、モンゴル国の政治家であり、同国第5代大統領を務めました。彼は、政治家としての活動だけでなく、ブフ（モンゴル相撲）の選手、実業家としても知られています。

バトトルガは、1963年3月3日にウランバートルで誕生しました。1979年から1990年までブフの選手として活躍し、その実力は国内外で高く評価されました。1989年には、ウランバートルで開催されたサンボワールドカップで優勝という輝かしい成績を収めています。さらに、格闘技への情熱は柔道にも向けられ、2006年にはモンゴル柔道連盟の議長に就任。2008年北京オリンピックでは、ナイダン・ツブシンバヤル選手を金メダルに導き、モンゴル初の金メダル獲得に大きく貢献しました。

スポーツ界での活躍と並行して、バトトルガはビジネスの世界でも才能を発揮しました。1990年には、ジェンコ社（Genco）を設立し、国外でジーンズを扱うビジネスを始め、後に電子機器の貿易へと事業を拡大しました。さらに、1990年代末の国有企業の民営化の波に乗り、いくつかの企業の支配的利権を獲得しました。これらの事業を通じて、彼はモンゴル経済界において重要な存在となりました。

2004年、バトトルガはバヤンホンゴル県から国家大会議の議員に初当選し、政界へと進出しました。その後、2008年と2012年にも再選を果たし、政治家としての地位を確立しました。2008年から2012年までの間は、道路・運輸・建設・都市計画相として、インフラ整備や都市開発に尽力しました。

2017年、バトトルガはモンゴル国大統領選挙に民主党から立候補し、6月26日の第1回投票で38.1%の得票率で1位となりました。7月7日の決選投票では、過半数を超える50.6%の票を獲得し、モンゴル人民党の候補ミイェーゴンビーン・エンフボルドを破り、大統領に選出されました。同年7月10日、大統領に就任しました。

大統領就任演説では、「ロシア・中国との友好関係を継続しつつ、第3の隣国（日本、アメリカ合衆国など）との関係を重視する」と述べ、前大統領であるツァヒアギーン・エルベグドルジ氏の国際協調路線を継承する姿勢を示しました。バトトルガは、大統領としてモンゴルの国際的な地位向上と国内の発展に尽力し、2021年6月25日に退任しました。

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