ハル・ニューハウザー

ハロルド・ニューハウザー

基本情報

ハロルド・ニューハウザー（Harold Newhouser）は、1921年5月20日にミシガン州デトロイトで生まれ、1998年11月10日に亡くなったアメリカのプロ野球選手です。1940年代から1950年代にかけて、メジャーリーグのアメリカンリーグで活躍した投手であり、愛称は「プリンス・ハル」です。彼は特にデトロイト・タイガースの中心選手として知られ、多くの記録を打ち立てたことで名を馳せました。

現役時代

高校時代から才能を発揮していたニューハウザーは、1939年に18歳でタイガースと契約し、プロ野球界に足を踏み入れました。1942年、彼はシーズンで8勝14敗を記録しながらも優れた防御率（2.45）を維持し、オールスターゲームに初めて選出されました。その後、1944年に彼は29勝9敗という驚異的な成績を収め、アメリカンリーグのMVPに選ばれました。戦争の影響で多くのスター選手が出征したこともあり、ニューハウザーはタイガースのエースとしての地位を確立することになりました。

続く1945年にも彼は25勝9敗という成績を上げ、シーズン最優秀防御率（1.81）と最多奪三振（212）を記録。これにより、投手三冠を達成し、さらに2年連続でMVPを受賞することになります。この年、タイガースはワールドシリーズでも勝利を収め、ニューハウザーは2勝をあげるなど、チームの成功に大きく貢献しました。

1946年と1948年にはそれぞれ26勝、21勝を挙げ、20代のうちに4度の20勝以上を達成する驚異的な実績を示しました。しかし、1951年には腕の怪我に悩まされ、以降の登板機会は減少していきました。1953年のシーズンではわずか7試合の登板にとどまり、成績は0勝1敗となり、タイガースから放出されました。

移籍・キャリアの終焉

1954年にはクリーブランド・インディアンスに移籍し、主に中継ぎとして7勝2敗、防御率2.51を記録。チームのアメリカンリーグ制覇にも貢献しましたが、翌1955年には現役を引退しました。

引退後の活動

プロ野球選手としてのキャリアを終えた後、ニューハウザーはヒューストン・アストロズやボルチモア・オリオールズなどのスカウトとして活動しました。アストロズのスカウト時代には、後のニューヨーク・ヤンキースのキャプテンであるデレク・ジーターを見出しましたが、チームはジーターではなくフィル・ネビンを契約しました。また、オリオールズのスカウトとしてはミルト・パパスを見出し、彼は後に209勝を挙げる投手となりました。

名誉と遺産

1992年にはベテランズ委員会によってアメリカ野球殿堂に選出され、その業績が評価されました。また、彼の在籍時の背番号「16」は、1997年にタイガースによって永久欠番とされ、チームの初の投手としてこの栄誉を受けました。1998年に肺気腫と心臓病のため亡くなった際、彼の才能と影響力は多くのファンによって懐かしまれています。ニューハウザーの甥には、プロ野球選手として活躍したケン・モッカがいます。

結論

ハロルド・ニューハウザーは、1940年代のアメリカンリーグにおいて輝かしい成績を遺した名投手であり、彼の業績は今なお語り継がれる存在です。

もう一度検索