ハレンチ (ザ・フォーク・クルセダーズのアルバム)

アルバム『ハレンチ』の誕生とその背景

『ハレンチ』は、ザ・フォーク・クルセダーズが1967年10月15日に自主制作でリリースしたファースト・アルバムです。彼らは1965年に結成され、徐々に関西の音楽シーンで人気を博していきました。最初はメンバーの加藤和彦が呼びかけ、北山修をはじめとする京都の大学生たちが集まりましたが、1967年9月に行われた解散コンサート「さよならフォークル」にてグループは一度解散することとなります。

しかしながら、北山の提案で、解散の最後を飾る意味を込めて記念のレコードを作ることが決定しました。この時点で、元メンバーの芦田と井村はすでに学業を優先して脱退しており、残ったのは加藤と北山、そして一度脱退して戻った平沼の3人のみでした。

制作の過程

アルバムにはメンバーがこれまでに演奏していた持ち歌を収録する予定でしたが、曲数が不足していたため、B面にはライブテイクが3曲追加されました。この部分は芦田が在籍していた時の4人編成に基づいて演奏されています。それに加えて、加藤和彦と松山猛が急遽自宅で録音したノヴェルティ・ソング「帰って来たヨッパライ」が新たに収録されました。この曲は、テープ回転操作や音響効果を多用した斬新な作品で、アルバムに独特の色を加えています。

北山は父親から借りた資金で300枚のレコードをプレスしましたが、販売開始当初は思うように売れず、残り200枚が家に積み上がる結果となりました。メンバーはこの状況を打破するために関西のラジオ局へ足を運び、『ハレンチ』を流してもらうことに努めました。その中でも「帰って来たヨッパライ」が好評で、次第に東京にも噂が広がり、名のあるレコード会社がこぞって彼らの音楽を取り扱いたいと手を挙げることになります。

商業的成功とその影響

最終的に、東芝のキャピトル・レーベルから「帰って来たヨッパライ / ソーラン節」がシングルリリースされ、これは日本初のミリオンセラーとなりました。この成功により、ザ・フォーク・クルセダーズは一躍名声を得ることとなります。

収録曲一覧

• - Side A

1. そうらん節  –  (1:55)
2. イムジン河  –  (3:09)
3. ドリンキン・グァード  –  (2:24)
4. ディンクの歌  –  (2:33)
5. グァンタナメラ  –  (2:26)
6. ラ・バンバ  –  (1:20)

• - Side B

1. ひょうたん島  –  (1:45)
2. 帰って来たヨッパライ  –  (3:26)
3. 女の娘は強い  –  (2:44)
4. ヨルダン河  –  (2:23)
5. コキリコの唄  –  (2:51)
6. 雨を降らせないで  –  (3:15)

メンバーと制作体制

このアルバムの録音には、加藤和彦がボーカル、ギター、ピアノ、パーカッションを担当し、北山修はボーカル、ナレーション、ベース、パーカッション、平沼義男はボーカル、ギター、パーカッションを担当しました。ジャケットデザインは松山猛が行い、録音は西宮日本マーキュリーによってプレスされました。

提供された曲や制作背景には、彼らの音楽的な探求と情熱が色濃く反映されています。アルバムを通じて聴くことができる多様なスタイルは、ザ・フォーク・クルセダーズの魅力を示しており、時代を超えて多くのファンに愛され続けています。

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