ハロルド・レスター・ジョンソン

ハロルド・レスター・ジョンソン（Harold Lester Johnson, 1921年4月17日 - 1980年4月2日）は、アメリカ合衆国出身の著名な天文学者です。彼の最も重要な業績の一つは、恒星やその他の天体の等級を測定するための画期的な方法である「ジョンソンのUBVシステム」を考案したことです。

ジョンソンは、デンバーで生まれ、そこで数学を学びました。第二次世界大戦中には、レーダー開発に携わり、その後、カリフォルニア大学バークレー校で天文学を学びました。彼は天体写真の測定に使用する電気計測器の研究で博士号を取得し、恒星の等級を正確に測定する方法の研究に力を注ぎました。

1948年、ジョンソンはローウェル天文台に移り、その後すぐにウィスコンシン大学のウォッシュバーン天文台に移りました。1950年から1952年の間はヤーキス天文台で研究活動を行いました。その後、再びローウェル天文台に戻り、1953年にはUBVシステムを等級測定に導入しました。このシステムは、紫外線(U)、青色(B)、可視光(V)の3つのフィルターを使用して天体の明るさを測定するもので、天文学における標準的な手法となり、恒星の特性を研究するための重要なツールとなりました。

ジョンソンはその後、テキサス大学やアリゾナ大学で教授を務め、分光学的測定法に赤外線領域の測定を導入しました。彼の研究は、天文学の分野に大きな進歩をもたらしました。1956年には、その功績が認められ、ヘレン・B・ワーナー賞を受賞しました。

1960年代以降、ジョンソンはメキシコの観測機関との連携を深め、1979年にはメキシコ国立自治大学の教授に就任しました。彼は、メキシコシティで1980年に生涯を終えました。

ジョンソンのUBVシステムは、現代天文学において不可欠なものとなっており、彼の研究は天文学の発展に大きく貢献しました。その革新的な発想と、精密な観測手法に対する情熱は、後世の研究者たちに多大な影響を与えています。彼の業績は、天文学の歴史において永遠に語り継がれるでしょう。

ジョンソンは生涯を通じて、天体観測の精度向上と新しい測定手法の開発に情熱を燃やし、その成果は天文学の発展に大きく寄与しました。

UBVシステムについて

UBVシステムは、天体の明るさを紫外線（U）、青色（B）、可視光（V）の3つの異なる波長で測定することにより、その天体の特性を理解するための重要な手法です。このシステムにより、天体の色や温度、距離などをより正確に推定できるようになりました。ジョンソンが開発したこのシステムは、天文学の研究において非常に重要なツールとなり、多くの天文学者が彼の成果を基に研究を進めています。

このシステムは、それぞれのフィルターを通して測定された明るさの差を利用して、天体の色指数を計算し、星の分類や進化の研究に役立てています。ジョンソンの開発したUBVシステムは、天文学における測光観測の基礎を築いたと言えるでしょう。

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