ハンク・オーデイ

ハンク・オーデイ：多才な野球人

ハンク・オーデイ（Henry Francis "Hank" O'Day、1859年7月8日 - 1935年7月2日）は、アメリカ合衆国イリノイ州シカゴ出身のプロ[[野球選手]]、監督、そして審判員として、19世紀後半から20世紀初頭にかけての野球界で多岐にわたる活躍を見せた人物です。

選手としてのキャリア

オーデイは、1884年にアメリカン・アソシエーションのトレド・ブルーストッキングで投手としてプロデビューしました。チームにはトニー・マレーンというエースがおり、オーデイは二枚看板として期待されましたが、41試合に登板し9勝28敗と大きく負け越してしまいます。翌年、トレド球団が破綻すると、オーデイはピッツバーグ・アレゲニーズに移籍し、12試合に登板しました。その後、デトロイト・ウルバリンズを経てワシントン・ナショナルズに移籍し、1888年には16勝を挙げたものの、リーグ最多の29敗を喫しました。選手として最も活躍したシーズンは、1890年にプレイヤーズ・リーグのニューヨーク・ジャイアンツに移籍した年で、22勝13敗の成績を収めました。選手時代から審判の代役を務めることもあり、1890年までに6試合の審判経験がありました。

特筆すべきは、オーデイがメジャーリーグ史上初めて「代打」を送られた選手であるという点です。1889年9月10日の試合で、オーデイは負傷により打席に立てなくなったため、ミッキー・ウェルチが代打として出場しました。この出来事は、故障以外の理由で代打が認められるようになる3年前の出来事でした。

審判としてのキャリア

1895年、オーデイは75試合で審判を務め、本格的に審判としての活動をスタートさせました。ナショナルリーグでの審判としてのキャリアは30年以上に及び、1927年までその職を務めました。ただし、1912年と1914年にはシンシナティ・レッズとシカゴ・カブスの監督を務めたため、審判としての活動は中断しています。監督としての戦績は2年間ともほぼ5割でした。

オーデイは、いかなる非難にも屈せず、勇気を持って正しい判定を下す人物として評価されました。その最も有名な事例が、1908年9月23日のニューヨーク・ジャイアンツ対シカゴ・カブス戦で起きた「マークルズ・ボナー」の判定です。ジャイアンツのサヨナラ安打に沸く中、一塁走者のマークルが二塁を踏まずにベンチへ下がったことをカブスのエバースがアピールしました。主審だったオーデイはマークルにアウトを宣告し、試合を引き分けとし、再試合を命じました。この判定はジャイアンツのジョン・マグロー監督から「オーデイがペナントを奪った」と非難されましたが、オーデイの判定は揺るぎませんでした。この判定には伏線があり、2週間前にオーデイはカブス対パイレーツ戦で同様のアピールを無視していました。その経験を踏まえての正しい判定を下したのです。

オーデイは1927年までナショナルリーグの審判を務め、通算3986試合に出場しました。これは引退当時史上3位の記録でした。また、主審試合数2710試合と10度のワールドシリーズ出場は、ビル・クレムに次ぐ史上2位の記録です。

1935年、オーデイはシカゴで亡くなりましたが、その功績は忘れられることなく、2013年にはベテランズ委員会の選考によりアメリカ野球殿堂入りを果たしました。

詳細情報

選手としての通算成績（詳細略）
監督としての戦績（詳細略）
審判としての記録
在籍：ナショナルリーグ（1888年, 1889年, 1895年～1927年）
* 出場試合数：レギュラーシーズン3986試合、ワールドシリーズ57試合（1903, 1905, 1907, 1908, 1910, 1916, 1918, 1920, 1923, 1926年）

ハンク・オーデイは、選手、監督、審判としてメジャーリーグに貢献し、その多才さと勇気ある行動で野球史に名を刻んだ人物です。

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