ハンサー・アルベルト

ハンサー・アルベルト・ペーニャ：ドミニカが生んだユーティリティ・プレイヤー

ハンサー・ジョエル・アルベルト・ペーニャ（Hanser Joel Alberto Peña, 1992年10月17日 - ）は、ドミニカ共和国ドゥアルテ州サン・フランシスコ・デ・マコリス出身のプロ野球選手（内野手）です。右投右打。
愛称は、彼の父が母国のラジオ番組でホストを務めていることに由来する「レイディオ（Radio）」です。

プロ入りからメジャー昇格まで

2009年、アルベルトはテキサス・レンジャーズと契約し、プロとしてのキャリアをスタートさせました。2010年には、ルーキー級ドミニカン・サマーリーグで打率.358、24打点、16盗塁と素晴らしい成績を記録し、その才能の片鱗を見せつけました。

2011年からはアメリカ本土に渡り、A-級スポケーン・インディアンスでプレー。その後、A級、A+級、AA級と着実にステップアップを重ねました。2014年には、A+級とAA級で合計120試合に出場し、打率.273、7本塁打、56打点、16盗塁を記録。さらに、ローリングス社選定のマイナーリーグのゴールドグラブ賞を受賞し、守備面でも高い評価を得ました。

2015年、アルベルトはAAA級ラウンドロック・エクスプレスで開幕を迎え、5月28日に念願のメジャー初昇格を果たします。翌29日のボストン・レッドソックス戦でメジャーデビューを飾り、3打数1安打1打点を記録しました。この年、メジャーでは41試合に出場し、打率.222、4打点、1盗塁という成績を残しました。守備では、二塁手、遊撃手、三塁手として出場し、ユーティリティ性を示しました。

メジャーでの活躍と苦悩

2016年もレンジャーズでプレーしましたが、打率.143と苦戦。2017年は右肩の故障に苦しみ、メジャーでの出場はありませんでした。オフにFAとなりますが、マイナー契約で再契約し、2018年のスプリングトレーニングに招待選手として参加しました。

2018年はAAA級で開幕を迎え、5月にメジャー契約を結びました。しかし、同年11月にはウェイバー公示でニューヨーク・ヤンキースへ移籍。その後、ボルチモア・オリオールズ、サンフランシスコ・ジャイアンツとチームを転々としました。

2019年、オリオールズに所属したアルベルトは、4月7日のニューヨーク・ヤンキース戦でリリーフとして登板するという珍しい経験をしました。また、8月30日のカンザスシティ・ロイヤルズ戦では、自身初の1試合5安打を達成し、チームの勝利に大きく貢献しました。この年は、打率.305、12本塁打、51打点と、打撃面でキャリア最高の成績を記録しました。

2021年には、カンザスシティ・ロイヤルズと契約し、103試合に出場。打率.270、2本塁打、20打点を記録しました。2022年には、ロサンゼルス・ドジャースと契約。73試合に出場したほか、投手としても10試合に登板し、MLBにおける野手のシーズン最多登板記録を更新しました。

2023年はシカゴ・ホワイトソックスと契約しましたが、6月に戦力外となりました。

プレースタイルと評価

アルベルトは、遊撃、二塁、三塁をこなせるユーティリティ・プレイヤーです。2019年には、三振率がMLBで最も低く、1三振ごとの打数が最も多いという記録を残しました。一方で、ストライクゾーン外のスイング率がアメリカンリーグで最も高いというデータもあります。積極的な打撃スタイルが特徴と言えるでしょう。

まとめ

ハンサー・アルベルトは、決してエリート街道を歩んできた選手ではありません。しかし、地道な努力とユーティリティ性でメジャーリーグで長く活躍しています。今後も、持ち前の明るさとガッツで、ファンを魅了するプレーを見せてくれることでしょう。

もう一度検索