ハンドルバー (自転車)

ハンドルバー（Handlebar）

自転車のハンドルバーは、走行中の進行方向を変えるために両手で握る部品です。操縦性に加え、乗員の体重を支える重要な役割も担っています。形状としてはオートバイのハンドルとも似ていますが、自転車特有の寸法規格が採用されています。一般的な自転車では、接続部の外径が25.4mm（1インチ）、握り部分が22.2mm（7/8インチ）が標準です。しかし、ドロップハンドルやBMX用のハンドルなど、特殊な場合には異なる規格があるため注意が必要です。

材質と構造

ハンドルバーの材料には主に鋼鉄やアルミ合金が使用され、軽量化や振動吸収に優れたカーボン（CFRP）も利用されることがあります。大部分のハンドルバーは中空のパイプ状構造を持ち、中央のクランプ部を介してフロントフォークに接続されます。この構造によって、操縦の際に前輪への力を効果的に伝えることができます。

多くのハンドルバーにはブレーキや変速機のレバーが取り付けられ、警音器や前照灯、サイクルコンピュータなどのアクセサリーを装着するためのスペースも確保されています。

バーテープとバーグリップ

ハンドル形状に応じて、グリップタイプ（握り部にエラストマー製の握りがつく）とバーテープ（滑り止め効果を持つ帯状の材質を巻き付ける）を使用します。バーテープを固定するためには主に絶縁テープなどが使われます。

ハンドルバーの種類

ハンドルバーには、使い方や形状によって多種多様な種類がありますが、ここでは代表的なもののみを紹介します。

日常用ハンドルバー

• - とんぼハンドル：市販のシティサイクルでよく見られ、比較的狭い直線の形状。
• - アップハンドル：主にミニサイクルや婦人用の自転車に適用され、高めの握り位置を持ち、前方に曲がりを持っています。

スポーツ用ハンドルバー

• - フラットバー：直線的な形状で、マウンテンバイクやロードバイクに好まれます。
• - ライズバー：グリップ位置が高く、マウンテンバイクのスタイルに多く使用されます。
• - ドロップハンドル：長距離や競技向きの形状で、様々な持ち方が可能です。

特殊用途のハンドルバー

• - ブルホーンバー：主にタイムトライアル用で、牛の角のように曲がる形状。
• - エアロバー：特定のタイムトライアルバイクにのみ使用される特殊なハンドルで、空気抵抗を最小限にするための設計。

BMXハンドル

特にBMX用に設計されたハンドルバーは、低い車高と高い強度を持つ形状が特徴で、強度を保つための支え棒が取り付けられています。

ハンドルバーはただの部品ではなく、乗員の快適性や操作性に大きな影響を与える重要な要素です。様々なタイプが存在し、それぞれの用途に応じて選ばれるため、自転車の性能や使用感を大きく左右します。

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