ハンニバル・ハムリン

ハンニバル・ハムリンについての詳細

ハンニバル・ハムリン（Hannibal Hamlin, 1809年8月27日 - 1891年7月4日）は、アメリカ合衆国の政治家であり、主にメイン州で活動した。彼はメイン州議会や下院議員、さらには上院議員としても知られているが、最も著名なのは1860年の大統領選挙でエイブラハム・リンカーンの副大統領候補として当選したことであろう。ハムリンは初の共和党所属の副大統領であり、奴隷制度に対する積極的な反対者としても歴史に名を刻んでいる。

生い立ちと教育

ハムリンはメイン州オックスフォード郡のサウス・パリスで、サイラス・ハムリンとアンナ・リヴァモアの子として生まれた。彼の家系は1639年にマサチューセッツ湾植民地に入植した先祖を持つ。教育を受けたのは地元の学校とヘブロン・アカデミーで、その後は父の農場を手伝い、様々な職業を経験した。教師やコック、測量技師としてのキャリアの後に法律を学び、1833年に弁護士業を開始した。

彼は1833年にサラ・ジェーン・エメリーと結婚し、4人の子供を儲けた。しかし、1855年にサラが亡くなると、翌年に彼女の異母姉妹であるエレン・ヴェスタと再婚した。エレンとの間にはさらに2人の子供が生まれた。

政治キャリアのスタート

ハムリンの政治的なキャリアは1836年に始まり、メイン州議会議員に選出された。彼の活躍はその後も続き、1840年には連邦上院議員選に立候補したが落選。1864年には上院での議席を確保し、奴隷制度の拡張に反対する姿勢を持ち続けた。特にウィルモット条項を支持し、妥協法案に対する反対演説を行ったことが注目される。1843年から1847年まで下院議員として二期、そして1848年には上院議員に選出された。奴隷制度を容認する民主党から反発し、1856年には共和党に参加することを決意した。

副大統領としての任期

1860年の大統領選挙では、ハムリンはリンカーンの副大統領候補として指名された。この選挙では、彼とリンカーンが初めて会ったのは選挙の後であった。ハムリンは演説家としての才能を発揮し、また反奴隷制のスタンスを強く支持した。副大統領就任後は、リンカーンの重要なアドバイザーの一人となったが、政権内での影響力は限られていた。その一方で、奴隷解放宣言や黒人の武装化を推進した。

1864年の再選では、ハムリンは副大統領候補に選ばれなかった。リンカーンは南部の民主党員を選び、アンドリュー・ジョンソンを副大統領候補に指名した。これにより、ハムリンは政治的な活動の舞台から外れることとなったが、彼の存在はメイン州共和党の影響力の一部であり続けた。

晩年と最期

ハムリンは1869年から上院議員を再度務め、1881年から1882年まで駐スペイン公使としても活動した。その後はメイン州バンゴーに戻り、公的な場を離れて穏やかな生活を送った。1891年には自身が設立したタラティン・クラブの集まりでカードを楽しんでいる最中に81歳で世を去った。彼の墓はバンゴーのマウント・ホープ墓地にある。

家族と legado

ハムリンの子供たちの中でも、チャールズとサイラスの2人は南北戦争で軍に従軍し、将官として昇進した。名前を残した彼の関係者には、メイン州検事総長を務めた孫のハンニバル・エメリー・ハムリンや、サリー・ハムリンという子役もいる。彼の業績は今なお評価され続けており、サウスダコタ州には彼にちなんだハムリン郡が存在する。

ハムリンは幅広い政治的背景を持ち、アメリカの歴史において重要な役割を果たした政治家として、多大な影響を与え続ける存在である。彼の生涯と業績は、アメリカ合衆国の政治史において忘れられない一ページを飾っている。

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