マサチューセッツ湾植民地

マサチューセッツ湾植民地の歴史

概要

マサチューセッツ湾植民地（Massachusetts Bay Colony）は、17世紀にイギリス人によって北アメリカの東海岸に設立された植民地です。この植民地は、現在のアメリカ合衆国であるマサチューセッツ州に相当し、主にボストンとセイラムを中心とした地域に広がっていました。ジョン・ウィンスロップを指導者として、ピューリタンの非分離派が聖書の教えに基づく共同体の形成を目指して創設しました。初年度には1000人以上が植民地に移住し、1643年には約2万人が居住するようになりました。

初期の入植と背景

マサチューセッツ湾植民地の設立は、地元のインディアン民族に無断で行われました。イングランド王の特許を受けた複数の植民者集団が土地に重複して入植し、結果的にその土地がマサチューセッツ湾植民地として整備されていきました。イングランドのプリマスには、1607年に北アメリカのバージニア会社が設立された後、1620年にメイフラワー号で渡米したピルグリム・ファーザーズがプリマス植民地を創設しましたが、その後マサチューセッツ湾植民地が地域の中心となります。

ピューリタンによる入植

1629年、マサチューセッツ湾会社が特許を受けた結果、ピューリタンの入植者たちが大移住の波を作りました。最初の400人の入植者がボストンに向けて出発し、この地で最初の感謝祭が開催されました。ジョン・ウィンスロップや他の牧師たちが植民地の指導者として活躍し、宗教的な自由を求めて多くの人々がアメリカに渡りました。

最初の総会と政治制度

植民地の勅許により、総会が設立され、ウィンスロップや株主たちが法律制定に携わることが許されました。1630年に開催された最初の総会では、ウィンスロップと数名の助役だけが出席し、法律や税制を策定しました。次第に議会に参加する者が増え、民主的な制度が形成される過程が見られました。

宗教的弾圧と非分離派の反発

しかし、この植民地内での宗教的多様性は抑圧され、非分離派や他宗教の信者に対する弾圧が行われました。ロジャー・ウィリアムズやアン・ハッチンソンらが代表的な批判者であり、彼らはいずれも処罰や追放の対象となります。特にウィリアムズは信教の自由を求めてロードアイランド植民地を設立しました。

インディアンとの戦争と植民地の拡大

植民地の拡大に伴い、インディアンとの衝突が激化しました。フィリップ王戦争では、地元のインディアンの連合が白人入植者に対抗して決起しますが、最終的には白人側が勝利を収め、大規模な民族浄化が進行しました。

結論

マサチューセッツ湾植民地は、ピューリタンによる厳格な宗教と政治の体制を持ちながらも、アメリカにおける民主主義の原型を模索する重要な歴史的存在でした。一方で、白人とインディアンの関係は複雑で、後の歴史に大きな影を落とす結果となりました。

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