ハートに火をつけて

ドアーズ「ハートに火をつけて」：サイケデリック・ロックの金字塔とその影響

1967年、アメリカのロックシーンに衝撃を与えた楽曲「ハートに火をつけて」(Light My Fire)。ドアーズのデビューアルバム『The Doors』に収録され、瞬く間に全米を席巻したこの曲は、ロック史に燦然と輝く名曲として今も語り継がれています。

ビルボード1位と圧倒的な人気

「ハートに火をつけて」は、1967年7月29日にビルボード誌の週間ランキングで1位を獲得、3週連続でトップの座を維持しました。年間ランキングでも2位に輝き、その人気は不動のものとなりました。この成功は、単なる一時的なブームではなく、後の世代のミュージシャンにも多大な影響を与えたことを示しています。シングル版は、アメリカ[[レコード協会]]からゴールド、そしてプラチナ賞を受賞するなど、商業的な成功も収めています。

長く印象的な間奏と東洋的な響き

特徴的なのは、その長い間奏部分です。サイケデリック・ロックとジャズ・ロックを融合させたような、東洋的な雰囲気も漂う独特のサウンドは、多くのリスナーを魅了しました。シングルバージョンでは間奏部分が大幅にカットされていますが、アルバムバージョンでは、その神秘的な魅力を存分に味わうことができます。1967年録音のライブアルバム『Live at the Matrix 1967』では、ギターイントロのバージョンも聴くことができます。

楽曲制作：ロビー・クリーガーの貢献

ドアーズ名義となっているものの、作詞作曲の大部分はギタリストのロビー・クリーガーが担ったとされています。ボーカリストのジム・モリソンは、作詞にはわずかに関わった程度だったとクリーガー本人が語っています。最初はロビーのギターのみのイントロでしたが、後にレイ・マンザレクの印象的なオルガンイントロに変化しました。この点からも、楽曲制作において複数のメンバーが協力し、完成度を高めていった様子がうかがえます。

数々のカバーと時代を超えた魅力

「ハートに火をつけて」は、そのキャッチーなメロディーと洗練されたハーモニーから、多くのアーティストにカバーされました。特に有名なのは、1968年にホセ・フェリシアーノが発表したカバーバージョンです。全米3位を記録し、再びビルボード・チャートに「ハートに火をつけて」を送り込みました。さらに、グラミー賞最優秀男性ヴォーカル・パフォーマンス賞を受賞するなど、高い評価を得ています。他にも、ウィル・ヤング、B・J・トーマス、ナンシー・シナトラなど、様々なジャンル、世代のアーティストがカバーし、楽曲の普遍的な魅力を示しています。

時代を超越した名曲としての評価

「ハートに火をつけて」は、2010年の「ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500」で35位にランクイン。これは、楽曲が単なる流行歌ではなく、音楽史における重要な位置を占めていることを示しています。サイケデリック・ロック、ジャズロックといった複数の音楽ジャンルに影響を与えただけでなく、後世のミュージシャンにも大きなインスピレーションを与え続けています。そのメロディー、ハーモニー、そして独特の雰囲気は、時代を超えて人々の心を掴み続ける、不朽の名曲と言えるでしょう。

参考文献

ビルボード公式ウェブサイト
ローリングストーン誌
アメリカ[[レコード協会]]公式ウェブサイト
各アーティストの公式ウェブサイト
* ドアーズ関連書籍

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