ハートオブクィーン:女王の熱意を胸に
2005年4月13日生まれのハートオブクィーンは、日本の競走馬、そして繁殖
牝馬として短いながらも輝かしい足跡を残しました。その馬名は「女王の熱意」を意味し、まさに彼女の一生を象徴する言葉と言えるでしょう。
競走馬としてのキャリア
2007年5月、道営
門別競馬場でのデビュー戦を勝利で飾ったハートオブクィーンは、その後、幾多のレースを経験します。
ノーリーズン賞で3着に入賞するなど、才能の片鱗を見せつけました。
ラベンダー賞への優先出走権をかけた
栄冠賞では6着と敗れましたが、補欠繰り上がりで出走権を獲得。12番人気という低評価を覆し、見事勝利を収めました。
この勝利が、彼女を
函館2歳ステークスへと導きます。6番人気という下馬評を覆し、2着馬に4馬身差をつける圧勝劇で
重賞初制覇を達成しました。この快挙は、ハートオブクィーンの潜在能力の高さを証明するものでした。
その後、JRAの水野貴広厩舎に移籍しますが、思うような結果を残せず苦戦が続きました。しかし、
桜花賞では4着と健闘し、その実力を再び示しました。続く
優駿[[牝馬]]への挑戦では13着と結果を残せませんでしたが、
桜花賞での活躍は、彼女の潜在能力を改めて印象付けるものとなりました。
ローズステークス8着後、短距離路線に転向しますが、目立った活躍はできず、
2009年7月29日にはJRA競走馬登録を抹消。故郷の
ホッカイドウ競馬へ移籍しました。しかし、
ホッカイドウ競馬でも思うような成績を残すことができず、
2010年11月5日に
地方競馬登録を抹消。競走馬としてのキャリアに幕を閉じました。
繁殖牝馬として
引退後は、生まれ故郷の木村牧場で繁殖
牝馬として新たな人生を歩み始めます。しかし、わずか3頭の産駒を残したのみで、
2014年6月28日、9歳の若さでその生涯を終えました。その短い生涯の中で残した3頭の産駒のうち、2頭は
牝馬で、いずれも繁殖入りしています。
血統
ハートオブクィーンの母であるマイシークレットは
中央競馬で1勝を挙げています。さらに遡ると、4代母には
コーチングクラブアメリカンオークス優勝馬のアワミムズの名があります。アワミムズの半兄にはホープフリーオン、半弟には名馬アイルダール、半妹にはシュガーアンドスパイスなど、錚々たる名馬が名を連ねています。
女王の短い生涯
函館2歳ステークス制覇という輝かしい瞬間、そしてJRA、
地方競馬と舞台を変えながら懸命に走り続けた競走馬時代。そして短いながらもその血を受け継ぐ産駒を残した繁殖
牝馬時代。ハートオブクィーンは、その短い生涯のすべてを、女王の熱意をもって駆け抜けたと言えるでしょう。彼女の物語は、競走馬のドラマチックな人生の一端を垣間見せてくれる、感動的な物語です。