ハーニー郡 (オレゴン州)

ハーニー郡の概要

ハーニー郡は、アメリカ合衆国オレゴン州に位置する郡です。州の東部に属し、広大な面積を持つことで知られています。1889年に設立され、郡の名前は、ブタ戦争で活躍した軍人ウィリアム・S・ハーニーに由来します。2000年の国勢調査では、人口は7,609人とされています。

歴史

この地域には、ルイス・クラーク探検隊が訪れる以前から、北部パイユート族などの先住民族が暮らしていました。彼らはテニノ族やワスコ族と争っていたとされています。1826年には、ハドソン湾会社の毛皮交易者ピーター・スキーン・オグデンがこの地を訪れました。ハーニー郡は1889年2月25日にグラント郡から分離して成立しましたが、郡庁所在地を巡って熾烈な政治闘争が繰り広げられました。最終的には、1890年にバーンズが郡庁所在地となりました。1871年にはマルヒュア川インディアン居留地が設置され、オレゴン州の北部パイユート族が移住させられました。現在、彼らの子孫は「バーンズ・パイユート族」として連邦政府に認知されており、その一部はバーンズ近郊の居住地で生活しています。

経済

ハーニー郡の経済は、伝統的に放牧、牧羊、材木業によって支えられてきました。1883年に鉄道が開通したことで家畜産業は一時的に潤いましたが、同時に多くの農民や羊飼いが流入し、産業間の競争が激化しました。野生の馬を捕獲・飼育する産業も一時的に繁栄しましたが、衰退しました。ハーニー郡はグラント郡とともに、国内最大のポンデローサ松の森を有しており、狩猟、キャンプ、魚釣りといったレクリエーション活動も重要な産業として成長しています。郡内には広大な連邦政府所有地があり、1908年にはマルヒュア国立野生動物保護区が設置されました。また、スティーンズ山周辺ではホウ砂やウランが採掘されています。

政治

ハーニー郡の有権者は、共和党を支持する傾向が強く、2008年の大統領選挙では、70%以上が共和党候補に投票しています。しかし、近年では民主党への支持もわずかに増加しています。

地理

ハーニー郡は、総面積26,486平方キロメートルで、そのほとんどが陸地です。オレゴン州最大の郡であり、アメリカ国内でも9番目の広さを誇ります。郡内には、海抜3,000メートルにも達するスティーンズ山があり、その東麓にはアルボード湖やマン湖などの湖が点在します。郡の南東部にはアルボード砂漠が広がり、北側にはマルール湖やハーニー湖を含むハーニー盆地が広がっています。

隣接郡

ハーニー郡は、西にレイク郡、北西にデシューツ郡とクルック郡、北にグラント郡、東にマルヒュア郡、南にハンボルト郡、南西にワショー郡と隣接しています。

国立保護地域

ハーニー郡内には、マルヒュア国立森林公園（一部）、マルヒュア国立野生動物保護区、オーココ国立森林公園（一部）といった国立の保護地域があります。

人口動態

2000年の国勢調査では、ハーニー郡の人口は7,609人で、世帯数は3,036、家族数は2,094でした。人口密度は非常に低く、1平方キロメートルあたり0人となっています。人種構成は白人が9割以上を占めていますが、アフリカ系アメリカ人や先住民もわずかに居住しています。また、ヒスパニック系やラテン系の人々もいます。郡民の多くは、バーンズやハインズといった市制化された地域に住んでいます。郡の平均世帯収入は30,957米ドル、平均家族収入は36,917米ドルです。また、人口の11%以上が貧困線以下で生活しています。

コミュニティ

ハーニー郡には、バーンズとハインズの2つの市があります。非法人地域では、クレーンが比較的大きな集落ですが、多くの地域では人口がまばらに点在しています。

参考文献

出典元リスト

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