ハーラル5世 (ノルウェー王)

ハーラル5世

ハーラル5世（ノルウェー語: Harald V、1937年2月21日生まれ）は、ノルウェー国王として1991年から現在まで君臨しています。彼はオーラヴ5世の一人息子であり、国王としての使命を全うしてきました。日本ではしばしば英語名であるハラルド5世と呼ばれることもあります。

経歴

彼は1937年に王太子オーラヴとマッタ妃の間に生まれました。彼が誕生した際、実に567年ぶりに他国生まれではない王位継承者が誕生したことが注目されました。第二次世界大戦中、ノルウェーはドイツ軍に占領され、家族はロンドンに亡命しましたが、ハーラルとその母、姉妹たちはスウェーデンに逃れました。しかし、スウェーデンでは周囲の反発を受け冷遇され、さらにドイツの支配下にあるノルウェーの傀儡政府からも迫害を受ける状況にありました。その結果、アメリカのフランクリン・ルーズベルト大統領の助けを得て、再びアメリカに逃れ、ワシントンD.C.で暮らすことになりました。1945年に終戦を迎えた後、彼はノルウェーに帰国しました。

彼は高校を卒業後、ノルウェーの軍隊に入隊し、騎兵将校訓練学校と陸軍士官学校での教育を受けました。1959年に訓練を修了し、1957年には祖父であるホーコン7世の死去に伴い、王太子に就任しました。その後、オスロ大学で学び、兵役を終えるとオックスフォード大学に留学しました。

1968年に彼は一般市民の娘であるソニア・ハーラルセンと結婚しました。この結婚は9年間の交際を経たもので、平民との結婚に関しては過去に例が少なく、ノルウェー社会での王室における平民との婚姻のハードルの高さを物語っています。彼の結婚を巡っては国民の間で賛否が分かれましたが、徐々に受け入れられていきました。

ハーラル5世は1991年に父親の死去により即位し、同年6月にはニーダロス大聖堂で戴冠式が行われました。その後はノルウェーの国王として国内外の問題に取り組んできました。

健康問題と最近の出来事

2003年1月には膀胱癌が見つかり、12月には手術を受けることになりました。その際、彼は長年の喫煙をやめるきっかけを得ました。2024年1月23日には、デンマークの女王マルグレーテ2世の生前退位を受け、自身も健康状態に関する懸念が高まっている中で、生前退位の予定がないことを改めて表明しました。

2024年2月27日、ノルウェー王室はハーラル5世がマレーシアのリゾート地で感染症にかかったことを公表しました。彼は入院し、健康状態についての最新情報が発表され続けました。3月には医療搬送され、ペースメーカー装着の処置を受けるなど、健康への不安が続いています。

人物と家族

親族にはイギリスのエリザベス2世やデンマークのマルグレーテ2世、ベルギーのアルベール2世がいます。早稲田大学からは名誉法学博士号を授与されており、スポーツでもセーリング選手としてオリンピックに3度出場した経験があります。彼とソニア王妃の間には2人の子供、マッタ・ルイーセとホーコン・マグヌス（王太子）がいます。

ハーラル5世は困難な歴史を歩みながらも国民に愛される国王として、その存在感を示してきました。

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