ハーリド・ビン・ワリード (フリゲート)

バンガバンドゥ（Bangabandhu）

バンガバンドゥは、バングラデシュ海軍のフリゲート艦であり、韓国の蔚山級フリゲートを元にした派生モデルです。この艦名は、バングラデシュの初代首相であるムジブル・ラフマンに由来し、彼への敬意を表しています。2007年7月から2009年にかけては、ハーリド・ビン・ワリードという名称で知られており、この名前は歴史上の有名な武将にちなんでいます。

歴史的背景

バングラデシュ海軍は1990年代半ばから、海域の安全保障のために新たなフリゲート艦の導入を模索してきました。入札が2回行われ、最初は中国の企業が提案した案が最も安価でしたが契約には至らず、1996年の第2回入札で大宇造船海洋社の提案が採用されることになりました。当時、アジア通貨危機の影響で、大宇造船海洋社の経営が不安定でしたが、韓国海軍の支援により問題が解決され、バンガバンドゥは1999年に起工され、2001年に正式に就役しました。

設計と性能

バンガバンドゥはDW-2000H型という設計に基づいており、主に沿岸警備任務を想定して作られています。艦の船体は200トン大きく、平甲板型から中央船楼型に改良されることで、内部スペースを広く持っています。また、船体と上部構造には傾斜が付けられており、敵からの探知を避けるためのステルス効果が考慮されています。

機関は、原型艦が高速性能を重視したCODOG方式を採用しているのに対し、バンガバンドゥは燃費に重きを置いたCODAD方式を採用しています。火力に関しては、対水上戦闘及び対潜戦能力が充実していますかつ、防空能力は価格と性能において相対的に控えめです。この特徴はバングラデシュ海軍のニーズに適しており、沿岸での警戒任務に集中できる設計となっています。さらに、艦載機運用も考慮されており、アグスタA109または中国製のZ-9Cヘリコプターの搭載が計画されています。

運用と課題

2001年10月の政権交代に伴い、バンガバンドゥの調達に関してさまざまな疑惑が持ち上がりました。特に入札結果に関する問題や、艦における初期不良が報告される中で、政治的な騒動が広がり、艦は巡る疑惑に巻き込まれました。結果、バンガバンドゥは就役からわずか数ヶ月で予備役に編入されましたが、その後もほぼ完全な状態で維持され、2006年には防空能力を強化する改修が施されました。最終的に、2007年に「ハーリド・ビン・ワリード」という名称で再就役しました。

結論

バンガバンドゥは、バングラデシュ海軍において特に重要な役割を果たす艦であり、独特な設計と歴史的背景を持っています。艦の運用やその背景には政治的波動や社会的な問題が影響を及ぼしていますが、現在もバングラデシュの海洋防衛に寄与しています。

もう一度検索