バイナリィランド

バイナリィランド

『バイナリィランド』は、1983年にハドソンから発売されたアクションパズルゲームです。パソコン版を初めとして、MSX、ファミリーコンピュータなど様々なプラットフォームに移植されました。この記事では、特にファミリーコンピュータ版を中心に解説します。

ゲーム概要

舞台は不思議の国バイナリィランド。鏡の迷宮に閉じ込められたペンギンのグリンとマロンを操作し、ゴールを目指します。画面は中央で二分割され、プレイヤーは画面下の左右にいるペンギンを操作します。各ステージには檻に入ったハートがあり、2羽のペンギンを同時にハートに触れさせることでクリアとなります。クリア時には、グリンとマロンがキスをする可愛らしい演出が楽しめます。全99面をクリアしてもゲームはループし、1面に戻ります。

特徴的なのは、ペンギンの操作方法です。左右のペンギンは対称的な動きをするため、コントローラーの操作方向とペンギンの動きが一致しません。例えば、右を押すと右側のペンギンは右に動きますが、左側のペンギンは左に動きます。この操作に加え、左右で異なる障害物やランダムに動く敵キャラクターが配置されており、パズル的な思考が求められます。

クモの巣に触れたり、敵キャラクターと接触するとミスとなります。クモの巣やクモは「るんるんガス」で退治できますが、火の玉は無敵状態でないと倒すことができません。

サウンド

ゲームで使用されている音楽は2曲のみ。ステージBGMは、エリック・サティ作曲の『ジュ・トゥ・ヴー（あなたが欲しい）』を元に、ステージクリア時にはベートーヴェン作曲の『歓喜の歌』が流れます。ゲーム音楽として使用されるにあたり、それぞれ変ロ長調に移調されています。

システム

全99面で構成され、各面をクリアするごとに難易度が上がります。特徴的な操作方法に加え、敵や障害物の配置が複雑になり、より緻密な戦略が必要となります。左右対称の動きを考慮し、2羽のペンギンを同時にゴールに導くためのルートを見つけ出すことが、このゲームの醍醐味です。

アイテム

ゲーム中には、様々なアイテムが登場します。これらのアイテムはランダムに出現し、取得することでスコアアップや特殊効果を得ることができます。

指輪: 500点
傘: 1000点
ハープ: 2000点
ハートのカード: 5000点
鯨のカード: 一定時間無敵＋移動速度アップ
パネル: 特定の障害物にスプレーをかけると変化（蝋燭: 1000点、惑星: 3000点、ヴァイオリン: 5000点、ペンギン: プレイヤー1UP）

ストーリー

仲良しのペンギン、グリンとマロン。ある日、魔法の森にある鏡の迷路に迷い込んでしまいます。この迷路では、全てのものが左右逆に動いてしまうため、グリンが右に動けばマロンは左に動いてしまいます。さらに、迷路にはクモの巣や敵が徘徊しており、危険がいっぱいです。2羽は協力して迷路を脱出し、無事に外に出ることができるのでしょうか？

特殊キャラクター

鳥: 画面上を飛び交い、接触するとグリンとマロンの位置が入れ替わる。倒せない。
ヒナ: 特定の条件を満たすと登場。アイテムを取得したり、無敵状態で敵を倒してくれる。

評価

ゲーム誌『ユーゲー』では、本作の独特な操作感覚と高いアクション要素が評価され、パズルゲームとしての完成度の高さが称賛されています。特に、左右同時ゴールというシステムが絶妙なパズル性を生み出していると評価されています。

ファミコン版にまつわる逸話

タイトル画面で両方のコントローラーのAとBを押しながらリセットすると、隠しメッセージ「KIKU MEGU LOVE STORY!」が表示される。
本作の製作者である「KIKU」と「MEGU」は当時社内恋愛中だった。
* ハドソン社員の結婚式で、限定版（金色のパッケージ）が引き出物として配布されたという噂があるが、真偽は不明。

まとめ

『バイナリィランド』は、可愛らしいキャラクターと奥深いゲーム性で、多くのプレイヤーを魅了した名作パズルゲームです。独特な操作方法や敵キャラクターの配置など、パズルゲームとしての完成度が高く、やり込み要素も満載です。ぜひ一度プレイしてみてください。

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