バカ八

バカ八（ばかはち）

概要

バカ八とは、囲碁における用語の一つで、隅に8目の空点がある形を指します。一見すると大きな地に見えますが、ダメが詰まった状態になると、相手に攻め込まれて地を失う危険性があるため、蔑称として使われます。正式には「隅の八目」または「隅の板八」と呼ぶべき形です。

第1図



第1図の黒の形がバカ八と呼ばれるものです。黒はダメヅマリになっているため、aかbに手を入れて7目の地を確保する必要があります。他に大きな場所があれば黒は手抜きをすることもできますが、白から第2図のような手段が生じ、結果として地を失うことになります。

第2図



第2図のように、白1と打つのが筋の良い手です。黒は2以下、黒6までの手順でセキとなります（黒6でcに打つことはできません）。この結果、黒の地は全て失われます。黒2の時点で、5または6に打っても同様にセキになります。

バカ八の注意点

バカ八の形は、見た目の地の大きさに惑わされやすいのが特徴です。特に序盤や中盤など、他の場所にも手をかけたい状況では、つい手を抜いてしまいがちです。しかし、バカ八のダメが詰まった状態を放置すると、相手に先手を取られ、セキにされて地を失うというリスクがあります。

このため、バカ八の形が出現した場合は、必ずダメが詰まっていないかを確認し、必要に応じて手入れを行う必要があります。手入れをすることで、確実に7目の地を確保し、相手に攻め込まれるリスクを回避できます。また、相手が同様のバカ八の形を作ってきた場合には、逆に攻め込むことで大きな利益を得ることが可能です。

実戦での応用

実戦では、バカ八の形をわざと作り、相手に手入れを強いることで、他の場所への着手を有利に進めるという戦略も考えられます。ただし、相手がバカ八の形に対する正しい対処法を知っている場合は、逆効果になる可能性もあるため、注意が必要です。

囲碁の局面全体を冷静に見渡し、バカ八の形が本当に手入れを必要とするのかどうかを判断することが重要です。状況によっては、あえてバカ八を放置し、他の場所に手をかけるという判断も有効な場合があります。

まとめ

バカ八は、囲碁において注意すべき基本的な形のひとつです。見た目の大きさに惑わされず、ダメの詰まり具合を常に意識することが大切です。正しい知識と判断力を持つことで、バカ八を有利に活用し、対局を有利に進めることができるでしょう。

参考文献

武宮正樹監修、塚本惠一著『読むだけで強くなる 詰碁の鉄人』株式会社毎日コミュニケーションズ、2007年
林裕『囲碁百科辞典』金園社、1975年

関連項目

* 囲碁

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