バクチノキ

バクチノキ（博打の木、学名：Prunus zippeliana）は、バラ科に属する常緑高木です。別名としてビランジュ（毘蘭樹）とも呼ばれています。

概要

バクチノキの最大の特徴は、その樹皮にあります。灰白色の樹皮は、古くなると長さ数十センチほどの鱗状に剥がれ落ち、その下から黄赤色の幹肌が現れます。この樹皮が剥がれる様子が、まるで博打に負けて衣服を剥がれる姿に似ていることから、「バクチノキ」という名前が付けられました。

葉は長さ10～20cmの長楕円形で、深緑色をしています。縁には鋭い鋸歯があり、洋紙のような革質です。葉柄の上部には一対の腺があります。秋になると、直径6mmほどの白色の五弁花が、葉の付け根から出る短い花穂に密生して咲きます。果実は黒紫色で、翌年の初夏に熟します。

バクチノキの葉には、プルナシンなどのシアン化水素（青酸）配糖体が含まれています。この葉から抽出される液体は「ばくち水」と呼ばれ、鎮咳や鎮静の薬として用いられることがあります。

分布

バクチノキは、関東地方以西の本州、四国、九州、沖縄といった比較的温暖な地域に自生しています。

自生地の例

バクチノキは、その珍しさから各地で天然記念物に指定されています。

山口県萩市三見吉広には、「三見吉広のバクチノキ」が山口県の天然記念物として指定されています。
神奈川県小田原市早川飛乱地には、「早川のビランジュ」が国の天然記念物として指定されています。
千[[葉県]]鴨川市古畑には、バクチノキの群生地があり、千[[葉県]]の天然記念物に指定されています。
徳島県小松島市田野町の恩山寺には、県指定の天然記念物であるバクチノキの大木があります。
福岡県嘉麻市にある「白馬山のバクチノキ」も、福岡県の天然記念物に指定されています。

出典

[記載なし]

関連項目

木の一覧
* 近縁種：セイヨウバクチノキ、リンボク

もう一度検索