腺のご紹介



腺(せん、英語:gland)は、動物の体の中で特に分泌を行う細胞が集まった器官を指します。これらの腺は、一般的に分泌機能を担う腺細胞と呼ばれ、腺細胞が集まって形成された組織を腺組織と称します。肉眼で認識できる大きさになった腺組織が腺と言われるのです。また、「腺」という文字は日本独自に形声的に創られた国字であり、その語源はオランダ語の“Klier”です。この言葉が『解体新書』では「機里爾」と音訳され、後に宇田川榛斎が「腺」という漢字を正式に用いることで、分泌器官の名称が整理されました。英語の“gland”は、円形の塊を示すドングリの実(glans)に由来しています。

人体にあるさまざまな腺


腺は大きく外分泌腺と内分泌腺に分かれます。外分泌腺は、体外または腔内に分泌物を排出します。一方、内分泌腺はホルモンなどを血液中に放出し、体内の様々な機能を調節します。

分泌


数多くの外分泌腺が存在します。以下はその一部です:
  • - 涙腺:涙を生成し、目を保護します。
  • - 唾液腺耳下腺・顎下腺・舌下腺):食物の消化を助ける唾液を分泌します。
  • - 肝臓:胆汁を分泌し、脂質の消化に貢献します。
  • - 胃腺:胃液を分泌し、消化活動を促進します。
  • - 腸陰窩:腸内の消化酵素を分泌します。
  • - 前立腺:精液の一部を作り出します。
  • - :体温調節や老廃物の排出を助ける役割を果たします。
  • - 皮脂腺:皮膚を保護するために皮脂を分泌します。

分泌


分泌腺は以下のようなホルモンの分泌に重要な役割を持ちます:
  • - 下垂体:他の内分泌腺を制御するホルモンを生成します。
  • - 甲状腺:エネルギー代謝やカルシウムのバランスを調整するホルモンを分泌します。
  • - 副腎:ストレスに対する反応物質であるアドレナリンコルチゾールを生成します。
  • - 性腺:性ホルモンを生成し、生殖機能をサポートします。

分泌と内分泌の両方を行う臓器


膵臓は特異な存在であり、消化酵素を含む膵液を外分泌しつつ、インスリングルカゴンなどのホルモンを内分泌します。これにより代謝の調整を行っています。

腺はこのように多岐にわたっており、それぞれの役割が体の調和を支えています。心身の健康維持において、腺の機能を理解することは非常に重要です。

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