バスグラフィック

バスグラフィックとは

『バスグラフィック』は、ネコ・パブリッシングが発行していた日本のバス雑誌です。2008年に創刊され、ムック形式で不定期に発行されていました。本雑誌は、美しい写真と詳細な解説でバスの魅力を伝えることを特徴としていましたが、2022年をもって事実上休刊となりました。

本記事では、『バスグラフィック』の前身であるバス模型雑誌『バスホビーガイド』についても解説します。

バスホビーガイドからの発展

ネコ・パブリッシングは、日本初のバス模型専門誌として『バスホビーガイド』を2005年1月に創刊しました。当初はシリーズ化の予定はなく、号数は振られていませんでした。その後、2006年8月に第2号、2008年1月に第3号が発行されました。

『バスホビーガイド』は当初、バス模型やミニカー、模型改造に関する記事を掲載していました。しかし、2008年9月に発行された第4号では、巻頭特集として「続々引退、東京のツーステップバス」と題し、初めて実車のバスに関する記事をメインに取り上げました。表紙も模型バスの写真から、小田急バスのエアロスターMを大きく写した写真に変更され、後の『バスグラフィック』を彷彿とさせるデザインとなりました。また、「高松バスの三菱ふそう車 1972～1982年・10年の記録」として、後の『バスグラフィック』で頻繁に取り上げられることになる過去のモノコックバスの記事も掲載されました。

この『バスホビーガイド』第4号が発展する形で、『バスグラフィック』が2008年12月に創刊されました。その後、『バスホビーガイド』は2009年8月に第5号が発行されましたが、『バスグラフィック』に統合される形で休刊となりました。

誌面構成の変遷

『バスグラフィック』は、先行するバス趣味雑誌との差別化を図るため、大判写真を多用したビジュアル重視の誌面構成を採用しました。誌面サイズも、写真を大きく見せるためにA4ノビ判という横幅の広いサイズを採用しました。内容は、『バスホビーガイド』第4号の路線を継承し、首都圏の古いバス（ツーステップバスなど）の記事と、1970年代から1980年代頃に撮影されたモノコックバスの写真記事を二本柱としていました。

また、『バスグラフィック』は、東京都や神奈川県の公営バスや大手私鉄系バス事業者など、首都圏の大手事業者に偏った記事が多いという特徴がありました。そのため、バスファンの間では「大東急グラフィック」という異名もありました。

しかし、2010年6月に発行された第7号から誌面構成が大きく変更され、初心者向けのQ&A記事が掲載されたり、表紙デザインが変更されたりしました。この変更は読者から不評であったため、第8号では再び創刊当初の路線に戻り、横浜・川崎の1980年代のバスを特集記事として掲載しました。

その後、第10号では富士重工車体の特集が組まれましたが、記事に大量の誤記が見つかり、次号で謝罪文が掲載されるという事態が発生しました。

その後は、女性モデルや芸能人をイメージキャラクターとして起用し、誌面に登場させることが多くなりました。2013年には、ビキニ姿の女性モデルが登場するなど、創刊当初のコンセプトからは大きくかけ離れた誌面構成となりました。

休刊

2020年4月3日発行の第42号を最後に、新型コロナウイルス感染症の影響により事実上の休刊状態となりました。その間は公式Facebookを中心に情報発信が行われていました。

2022年4月28日には、2年ぶりに第43号が発行され、特別付録としてオリジナルグッズが付属しましたが、この号をもって事実上の休刊となりました。

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