バックホルツ陸軍飛行場

バックホルツ陸軍飛行場の歴史と現状

バックホルツ陸軍飛行場は、マーシャル諸島のクェゼリン環礁に位置する、アメリカ陸軍が管理する飛行場です。この飛行場は、第二次世界大戦中に日本軍によって建設されたという歴史を持ち、その後アメリカ軍の手に渡り、現在に至るまで重要な軍事施設として利用されています。

日本軍による建設と戦時中の利用

太平洋戦争開戦後、日本海軍は1943年にクェゼリン島に飛行場を建設しました。この飛行場は、第十九航空隊が駐屯し、マーシャル諸島周辺での哨戒任務に使用されました。しかし、戦局が変化し、1943年12月にはアメリカ軍による空襲が開始され、1944年1月からはマーシャル諸島攻略作戦が本格化しました。同年2月にはアメリカ海兵隊が上陸し、激戦の末、クェゼリン島はアメリカ軍に占領されました。

アメリカ軍による接収と拡張

アメリカ軍は、占領後、飛行場を「バックホルツ陸軍飛行場」と改名し、大規模な拡張工事を行いました。1944年4月には、B-24重爆撃機隊や写真偵察機隊が配備され、マリアナ諸島攻略作戦に投入されました。これらの部隊は、後にサイパン、テニアン、グアムへと移動しましたが、バックホルツ陸軍飛行場は終戦まで後方補給基地としての役割を果たしました。

戦後の核実験とミサイル実験

終戦後、クェゼリン環礁は米国の信託統治領となり、バックホルツ陸軍飛行場は核実験の司令部として利用されました。1946年から1958年までの間、近隣のビキニ環礁やエニウェトク環礁で67回もの核実験が行われました。1963年の部分的核実験禁止条約締結後は、弾道ミサイルの実験などに使用され、現在もその機能を維持しています。

現在の状況

バックホルツ陸軍飛行場は、クェゼリン島全域に広がる広大な基地の一部となっています。基地内には、野球場、ゴルフ場、ベーカリーなどの施設が整備されていますが、これらは基本的に軍関係者とその家族専用であり、島に元から住む住民は利用することができません。基地建設により、島民は隣のイバイ島への移住を余儀なくされ、現在も約9000人が居住しています。また、基地内ではアメリカ本土との時間調整のため、日付が一日遅れて運用されています。

バックホルツ陸軍飛行場は米陸軍の管理下にあり、軍関係者以外の降機は原則として認められていません。グアムとホノルルを結ぶアイランドホッピング便においても、バックホルツ陸軍飛行場では、降機する人以外は機内で待機する必要があります。外部の者が訪問する場合は、入島許可証を取得する必要がありますが、基地内に滞在することは許されず、降機後すぐにイバイ島へ移動しなければなりません。

参考文献

おがわかずよし『天下太平洋物語』 旅行人、1997年、ISBN 4947702095

関連項目

クェゼリンの戦い

外部リンク

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