バック・ショーウォルター

ウィリアム・ナサニエル・ショーウォルター3世：名将の軌跡

ウィリアム・ナサニエル・ショーウォルター3世、通称「バック」は、1956年5月23日にフロリダ州で生まれました。元プロ野球選手（一塁手、外野手）であり、引退後は監督としてその名を馳せました。左投左打の選手としてキャリアをスタートさせましたが、監督としての才能がより大きく開花しました。

選手からコーチ、そして監督へ

1977年のMLBドラフトでニューヨーク・ヤンキースから5巡目で指名されプロ入り。マイナーリーグで7年間プレーした後、1983年に現役を引退。その後、1984年にはコーチとして指導者の道を歩み始めました。マイナーリーグの監督としては360勝207敗という好成績を収め、1990年から1991年にかけてはヤンキースのコーチを務め、1991年10月29日に35歳という若さでヤンキースの監督に就任しました。

ヤンキース監督時代

監督就任1年目の1992年は負け越しましたが、翌1993年にはチームを5年ぶりの勝ち越しに導きました。1994年はストライキでシーズンが中断されましたが、地区1位という成績でシーズンを終え、最優秀監督に選出されました。1995年には、後に「Core 4（コア・フォー）」と呼ばれるマリアノ・リベラ、アンディ・ペティット、デレク・ジーター、ホルヘ・ポサダをデビューさせ、チームをプレーオフに導きました。この年以降、ヤンキースは黄金時代を迎えることとなります。

ダイヤモンドバックス監督時代

1998年、エクスパンションによりMLBに参入したアリゾナ・ダイヤモンドバックスの初代監督に就任しました。初年度は負け越しましたが、1999年には100勝62敗という驚異的な成績でプレーオフに進出。2000年は地区3位でシーズンを終え、監督を退任しました。

レンジャーズ監督時代

2002年、テキサス・レンジャーズの監督に就任。2004年にはチームを大きく躍進させ、2度目の最優秀監督賞を受賞しました。2006年に解任されるまで、その手腕を発揮しました。

オリオールズ監督時代

ESPNの解説者を経て、2010年にボルチモア・オリオールズの監督に就任しました。2012年にはチームを15年ぶりの勝ち越しとプレーオフ進出に導き、2014年には17年ぶりの地区優勝を達成し、3度目の最優秀監督賞を受賞。2018年にはチーム史上最悪のシーズン115敗を記録し、辞任を表明しました。

メッツ監督時代

2021年、ニューヨーク・メッツの監督に就任。2022年にはチームを6年ぶりのプレーオフに導き、4度目の最優秀監督賞を受賞。この受賞により、1990年代、2000年代、2010年代、2020年代の4ディケイドでの受賞という偉業を成し遂げました。

データ重視の緻密な野球

ショーウォルター監督はデータ分析を重視し、緻密な戦略を立てることで知られています。その一方で、レンジャーズ監督時代には管理主義が選手から不評を買うこともありました。

評価と批判

現役選手を対象にしたアンケートで「メジャー最悪の監督」に名前が挙がることもありましたが、その一方で、4球団で最優秀監督賞を受賞するという偉業を成し遂げました。これは彼の監督としての能力の高さを示すものと言えるでしょう。

詳細情報

年度の太字: 最優秀監督賞受賞
順位の太字: プレーオフ進出（ワイルドカードを含む）
WS…ワールドシリーズ、LCS…リーグチャンピオンシップシリーズ、DS…ディビジョンシリーズ、WC…ワイルドカードゲーム。

表彰

アメリカンリーグ最優秀監督賞：3回（1994年、2004年、2014年）
ナショナルリーグ最優秀監督賞：1回（2022年）

背番号

48（1990年 - 1991年途中）
11（1991年途中 - 1995年、1998年 - 2000年、2003年 - 2006年、2022年 - ）
26（2010年 - 2018年）

脚注

1994年は232日間に及ぶ長期ストライキによりシーズンが中断したため、順位は暫定。

関連項目

メジャーリーグベースボールの監督一覧
ニューヨーク・ヤンキースの歴代監督一覧
アリゾナ・ダイヤモンドバックスの歴代監督一覧
テキサス・レンジャーズの歴代監督一覧
ボルチモア・オリオールズの歴代監督一覧
ニューヨーク・メッツの歴代監督一覧

外部リンク

選手の通算成績と情報 MLB、The Baseball Cube、Baseball-Reference (Register)
* 監督の通算成績と情報 Baseball-reference.com

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