バック・ホーム

バック・ホーム

『バック・ホーム』（Back Home）は、伝説的なギタリスト、エリック・クラプトンが2005年に発表した通算となるスタジオ・アルバムです。前作にあたる『レプタイル』から4年ぶりにリリースされた本作は、彼の円熟したキャリアにおける重要な位置を占める作品となりました。

アルバムには、エリック・クラプトン自身とサイモン・クライミーによる共作曲を中心に、印象的なカバー曲も収録されています。

特に注目されるのは、「セイ・ホワット・ユー・ウィル（Say What You Will）」です。この楽曲は、同年に開催された愛・地球博（2005年日本国際博覧会）のために制作されました。日本ではSMAPが竹内まりやによる日本語詞でカバーし、「友だちへ〜Say What You Will〜」として2005年1月にリリースされ、大きな話題となりました。本作の日本盤CDには、ボーナス・トラックとして、愛・地球博用の別バージョン（アコースティック・ギター・バージョン）が追加収録されています。

カバー曲としては、シリータ・ライトが1974年のアルバム『スティーヴィー・ワンダー・プレゼンツ・シリータ』で発表した「アイム・ゴーイング・レフト（I'm Going Left）」を取り上げています。また、親しい友人であり、元ビートルズのメンバーであったジョージ・ハリスンへの深い追悼の念を込めて、「愛はすべての人に（Love Comes to Everyone）」がカバーされました。興味深いことに、クラプトンはジョージ・ハリスンのオリジナル・バージョンでもギター演奏で参加しています。

収録曲

特記されていない楽曲は、エリック・クラプトンとサイモン・クライミーの共作です。

1. ソー・タイアード - So Tired
2. セイ・ホワット・ユー・ウィル - Say What You Will
3. アイム・ゴーイング・レフト - I'm Going Left （作：スティーヴィー・ワンダー、シリータ・ライト）
4. ラヴ・ドント・ラヴ・ノーバディ - Love Don't Love Nobody （作：ジョセフ・ジェファーソン、チャールズ・シモンズ）
5. レヴォリューション - Revolution
6. 愛はすべての人に - Love Comes to Everyone （作：ジョージ・ハリスン）
7. ロスト・アンド・ファウンド - Lost and Found （作：ドイル・ブラムホールII、ジェレミー・ステイシー）
8. ピース・オブ・マイ・ハート - Piece of My Heart （作：ドイル・ブラムホールII、スザンナ・メルヴォワン、マイク・エリゾンド）
9. ワン・デイ - One Day （作：ヴィンス・ギル、ビヴァリー・ダーナル）
10. ワン・トラック・マインド - One Track Mind
11. ラン・ホーム・トゥ・ミー - Run Home to Me
12. バック・ホーム - Back Home （作：エリック・クラプトン）
13. セイ・ホワット・ユー・ウィル（『Love the Earth』収録ヴァージョン） - Say What You Will (Acoustic Guitar Version) （日本盤ボーナス・トラック）

評価

本作は音楽業界においても評価され、エンジニアを務めたアラン・ダグラスとミック・グゾウスキーは、このアルバムでの功績により、2006年のグラミー賞で「ベスト・エンジニア（ノンクラシック）」を受賞しています。

参加ミュージシャン

『バック・ホーム』には、エリック・クラプトンを中心に、多数の著名なミュージシャンが参加しています。

エリック・クラプトン - ボーカル、ギター
スティーヴ・ガッド - ドラム
エイブラハム・ラボリエル・ジュニア - ドラム
ネイザン・イースト - ベース
ビリー・プレストン - ハモンドオルガン、ピアノ、キーボード
ドイル・ブラムホールII - ギター
アンディ・フェアウェザー・ロウ - ギター
ニッキー・ショウ - パーカッション、プログラミング
サイモン・クライミー - キーボード、プログラミング
シャロン・ホワイト、ミッチェル・ジョン、ローレンス・ジョンソン - バッキング・ボーカル

また、ゲスト・ミュージシャンとして、ピノ・パラディーノ、ロバート・ランドルフ、ジョン・メイヤー、スティーヴ・ウィンウッド、ヴィンス・ギルらがクレジットされており、アルバムに彩りを加えています。

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