バミル・トピ

バミル・ミュルテザ・トピ

バミル・ミュルテザ・トピ（Bamir Myrteza Topi）は、1957年4月24日生まれのアルバニアの政治家です。2007年から2012年までアルバニアの大統領を務めました。

経歴

ティラナ農業大学で獣医学を専攻し、博士号を取得しました。1984年から1995年まで獣医学科学研究機関の研究員として勤務。1987年から1990年までイタリアで分子生物学を学びました。帰国後、食品安全・獣医学機関の所長に就任し、1995年まで務めました。これらの機関において、研究者および所長として、先進国の学問をアルバニアの研究機関に導入する役割を果たしました。

研究者としての活動と並行して、医学部獣医学科の学部および大学院において、毒性学や薬理学の教育カリキュラムの策定に積極的に関与し、講師としても指導にあたりました。

1996年にアルバニア議会の議員に初当選し、農業・食品大臣に任命され、1997年まで務めました。アルバニア議会では、サリ・ベリシャが率いるアルバニア民主党の議員として3期を務めました。穏健な政治家として、与野党間の対立の調停や政策決定を主導しました。また、アルバニアのサッカークラブ、KFティラナの名誉会長も務めています。

大統領として

2007年3月8日、2007年のアルバニア大統領選挙への出馬を表明。アルバニア・キリスト教民主党とアルバニア共和党がトピを支持しました。議会での4回にわたる投票の末、野党が抵抗を諦め、最終的に大統領に選出されました。

最初の大統領選挙（7月8日）では、議会で75票の賛成を得ましたが、選出に必要な84票には届きませんでした。アルバニア社会党が主導する野党は投票をボイコットしました。2回目の選挙（7月10日）でも選出には至らず、賛成票は74票でした。7月14日の3回目の投票では、賛成はわずか50票にとどまりました。

7月20日の4回目の投票で、トピは野党の一部からも支持を得て、選出に必要な84票を上回る85票を獲得し、大統領に選出されました。7月24日に大統領に就任し、就任に伴いアルバニア民主党の副党首を辞任し、離党しました。大統領としては不偏不党の姿勢を貫きました。

任期満了に伴い、2012年の大統領選挙には出馬せず、同党のブヤール・ニシャニに後を譲りました。

コソボ独立への支持

トピはコソボの独立を公然と支持しており、欧州理事会や国際的な場でコソボ独立の必要性を訴えてきました。2009年1月には、コソボ大統領のファトミル・セイディウと、国際連合コソボ暫定行政ミッション担当の国際連合事務総長特別代表ヨアヒム・リュッカーの共同招待でプリシュティナに3日間滞在。プリシュティナの名誉市民に認定され、金のメダルを授与されました。また、プリシュティナ大学から名誉学位も授与されました。

関連項目

アルバニアの歴史
アルバニアの元首

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