バモーの戦い

1283年、現在のミャンマー北部で、モンゴル帝国とパガン朝の間でバモーの戦いが勃発しました。この戦いは、モンゴルのビルマ侵攻における重要な出来事の一つです。

四川方面から進軍してきた、宗王シャンウダル率いる1万人のモンゴル軍は、パガン朝の支配者ナラティーハパテ王に対し、降伏を要求しました。和平交渉の意思を示すため、あるいは軍事力を誇示するため、モンゴル軍はビルマ北部のバモーを攻撃目標に選定しました。

バモーは、パガン朝の重要な拠点の一つであり、軍事的な要衝でもありました。モンゴル軍の攻撃は、パガン軍を完全に打ち破るという結果に終わりました。この戦闘の詳細は史料によって異なっていますが、モンゴル軍の圧倒的な軍事力と、パガン軍の防衛能力の不足が敗北の要因として挙げられます。

敗戦後、ナラティーハパテ王は、臣下と共に、ピューの西ラハニャカラへと逃れました。これは、パガン朝の首都であるパガンから相当離れた場所であり、王の危機感を物語っています。北部ビルマは、モンゴルの支配下に置かれ、「征緬省」と名付けられました。このことは、パガン朝がモンゴル帝国に服属したことを意味しており、ビルマの歴史に大きな転換をもたらしました。

その後、ナラティーハパテ王は、国内における自身の立場を再考することになります。軍事的な敗北により、王は国民からの信頼を失いつつありました。抵抗を続けることは、国土の更なる破壊と、国民の苦しみに繋がると判断したのでしょう。最終的に、ナラティーハパテ王はモンゴル帝国への降伏を決意し、和平交渉が成立しました。これにより、モンゴル軍は一旦撤退しました。

しかし、この降伏は、パガン朝にとって屈辱的なものでした。バモーの戦いは、パガン朝の衰退の始まりを告げる出来事であり、ビルマの歴史に大きな影を落としました。ナラティーハパテ王は、国内での支持を失い、王権は弱体化しました。この戦いは、後のモンゴルのビルマ侵攻や、パガン朝滅亡への道筋を作る、重要な転換点となったのです。

バモーの戦いは、モンゴル帝国とパガン朝の軍事力、政治力の差を明確に示した戦いでした。また、この戦いは、ビルマの歴史を考える上で非常に重要な出来事であり、その後の政治情勢や社会構造に大きな影響を与えました。関連する出来事としては、モンゴルのビルマ侵攻、ンガサウジャンの戦い、パガンの戦いを挙げることができます。これらの出来事を総合的に理解することで、バモーの戦いの意義をより深く理解することができるでしょう。

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