パガンの戦い

1287年、ビルマのパガン朝とモンゴル帝国の間で、パガンの戦いが繰り広げられました。この戦いは、パガン朝の運命を決定づける、歴史的な出来事となりました。

それ以前、パガン朝はモンゴル軍と幾度か衝突していました。特にバモーの戦いで敗北を喫したことで、パガン朝の支配は大きく揺らぎました。ナラティーハパテ王は、首都パガンからエーヤワディー川デルタ地方のパテインへと退避していました。敗戦の責任を問われ、動揺する国内情勢の中で、降伏を決意します。和平交渉のため、僧ディサープラモクをモンゴルの首都へと派遣しました。しかし、この王の決断は、国内では臆病と見なされ、王は庶子ティーハトゥーの手によって毒殺されてしまいます。

その後、王の息子であるチョウスワー王が即位しますが、王権は弱体化していました。実権は、シャン族の3兄弟が握る状態にあったのです。パガン朝は、内部抗争と外部からの圧力によって、存亡の危機に瀕していました。

この国内の混乱を好機と見たのは、モンゴル帝国のクビライの孫、梁王エセン・テムルでした。彼は大規模な軍隊を編成し、エーヤワディー川流域へと進軍を開始しました。

元軍はパガン領を次々と制圧し、ついに首都パガンへと攻め入りました。激戦の末、パガンは陥落し、パガン朝は事実上滅亡しました。モンゴル軍はパガンとその周辺地域を一時的に支配下に置きました。パガンの戦いは、ビルマの歴史における転換期であり、パガン朝はその後、かつての勢いを取り戻すことはありませんでした。

パガンの戦いは、モンゴルによるビルマ侵攻における重要な局面であり、モンゴルの軍事力と侵略性を示す象徴的な出来事となりました。また、この戦いを機に、パガン朝は衰退の一途を辿り、ビルマの歴史に大きな変化をもたらしました。パガン朝滅亡後、ビルマは新たな政治勢力による支配下に置かれることとなり、その後のビルマの歴史に大きな影響を与えたと言えるでしょう。

パガンの戦いは、モンゴル帝国の膨張と、ビルマにおける政治的、軍事的な転換期を示す重要な歴史的事実です。この戦闘を理解することは、モンゴル帝国の拡大とビルマの歴史、そして両者の関係性を解き明かす上で不可欠と言えます。関連する出来事としては、モンゴルのビルマ侵攻、ンガサウジャンの戦い、バモーの戦いが挙げられます。これらの出来事を総合的に理解することで、パガン朝滅亡に至るまでの過程をより深く理解できるでしょう。

もう一度検索