ハラパ

ハラパ (Xalapa)

ハラパは、メキシコ合衆国のベラクルス州の州都であり、州の中央部に位置しています。2009年時点の人口は52万5147人で、ベラクルス州の都市の中では、州都のベラクルスに次いで多い数字です。この町の名称はナワトル語の「Xallapan」に由来し、「砂の中の泉」という意味を持っています。また、ハラパという名称は、有名なトウガラシの品種「ハラペーニョ」の語源ともなっています。

歴史

ハラパの歴史は古く、現在公園として利用されているMacuiltepetlという場所には、かつてトトナカ人が住んでいました。14世紀には、この地域には4つの異なる種族がそれぞれ小さな村を形成していました。トトナカ人は「Xalitic（砂の中）」、チチメカ人は「Techacapan（廃棄物の川）」、トルテカ人は「Tecuanapan（獣の川）」、テオチチメカス人は「Tlalnecapan」という村を設立しました。

1313年頃、これらの村は発展し、一つの大きな村「ハラパン（Xallapan）」を形成しました。15世紀の後半には、アステカの第5代王モクテスマ1世がこの地域に侵入し、その後スペイン人のコンキスタドールが訪れるまで、この土地はアステカ帝国の一部として存在し続けました。1519年には、エルナン・コルテスがテノチティトランに向かう途中でハラパを通過しました。

1555年には、フランシスコ会修道院の建設が行われ、ヌエバ・エスパーニャにおいて重要な出来事の一つとなりました。しかし、スペインの征服によりハラパの人口は一時的に減少し、交通の要所としての重要性も低下しました。17世紀中は、人口が停滞していましたが、1720年以降はユカタン半島からの商人との貿易によって経済的な復活が始まり、ハラパの重要性は徐々に回復しました。

1760年頃には、ハラパのスペイン人とメスチソの人口が1000人を超え、町の商業や文化的な重要性が急激に増していきました。その成果として、1791年12月18日にスペイン国王カルロス4世によって、ハラパは正式に町として昇格されました。また、1772年から始まったハラパ大聖堂の建設は、1784年に完成するという大きな文化的な出来事となりました。

文化

ハラパはその豊かな文化を背景に、多くの教育機関が存在しており、地域の文化活動が活発です。特に、ベラクルス州立大学、ハラパ大学、アナワク大学ハラパ校などは地域の教育と文化の重要な拠点です。また、ベラクルス州立大学附属のハラパ人類学博物館には、オルメカ文明の特徴的な巨石人頭像が展示されており、訪れる人々に深い歴史を感じさせています。

市役所近くの繁華街に位置するフアレス公園内にはディエゴ・リベラ美術館があり、彼の絵画作品のメキシコ国内最大のコレクションが展示され、観光名所としても非常に人気があります。

このように、ハラパは歴史、文化、教育の面で多様な魅力を持つ都市であり、訪れる人々に新たな発見と体験を提供しています。

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