バラ亜綱

バラ亜綱（Rosidae）は、被子植物の分類における亜綱の一つであり、クロンキスト体系において用いられる分類群です。この亜綱は、バラ科をはじめとする多様な植物群を含み、その種数は約5万8000種に及びます。被子植物の中で最も多様性に富んだグループの一つであり、種数においてはキク亜綱と並び称されることもあります。

しかしながら、バラ亜綱は、新エングラー体系や、より現代的なAPG植物分類体系では採用されていません。これらの体系では、分子系統学的解析に基づいたより詳細な分類が用いられており、バラ亜綱に相当するまとまりは、より細分化されたり、異なるグループに分散されたりしています。

クロンキスト体系におけるバラ亜綱は、以下の18目を含みます。

バラ目（Rosales）
マメ目（Fabales）
ヤマモガシ目（Proteales）
カワゴケソウ目（Podostemales）
アリノトウグサ目（Haloragales）
フトモモ目（Myrtales）
ヒルギ目（Rhizophorales）
ミズキ目（Cornales）
ビャクダン目（Santalales）
ラフレシア目（Rafflesiales）
ニシキギ目（Celastrales）
トウダイグサ目（Euphorbiales）
クロウメモドキ目（Rhamnales）
アマ目（Linales）
ヒメハギ目（Polygalales）
ムクロジ目（Sapindales）
フウロソウ目（Geraniales）
セリ目（Apiales）

これらの目は、さらに細かく科に分けられ、それぞれの科が独自の植物種を含んでいます。バラ亜綱の多様性は、これらの目に含まれる植物種が、様々な環境に適応し、形態や生態において大きな違いを持つことに起因しています。

クロンキスト体系は、植物分類の歴史において重要な役割を果たしましたが、分子系統学的研究の進展に伴い、その分類体系は修正を迫られています。バラ亜綱もまた、より詳細な分類体系への移行が進んでおり、植物分類学の分野では、常に新しい知見に基づいて分類体系が更新されています。

バラ亜綱は、その多様性から、被子植物の進化や適応を研究する上で、重要なグループであると言えます。また、この亜綱に含まれる植物の中には、人々の生活に深く関わるものも多く、経済的にも重要な植物が多く含まれています。

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