フトモモ目

フトモモ目について

フトモモ目（フトモモもく、Myrtales）は、被子植物の一部であり、多くの植物科を擁する多様な分類群です。本目の主要科であるフトモモ科は、様々な樹木や灌木を含むおおよそ4620種が特定されています。加えて、ミソハギ科やアカバナ科、ノボタン科など、全体で約380属と11000種が存在しています。このように、フトモモ目は非常に豊富な種多様性を有していることが特徴です。

分類

フトモモ目に属する主要な科は以下の通りです。これらの科それぞれにさまざまな属と種が含まれており、植物多様性の重要な一翼を担っています。

• - シクンシ科 (Combretaceae): 14属、500種
• - アカバナ科 (Onagraceae): 22属、656種
• - ミソハギ科 (Lythraceae): 31属、620種 (旧ヒシ科、ザクロ科、ハマザクロ科を含む)
• - ウォキシア科 (Vochysiaceae): 7属、190種
• - フトモモ科 (Myrtaceae): 131属、4620種
• - ノボタン科 (Melastomataceae): 188属、5005種
• - クリプテロニア科 (Crypteroniaceae): 3属、10種
• - アルザテア科 (Alzateaceae): 1属、2種
• - ペナエア科 (Penaeaceae): 9属、29種

このような分類は、フトモモ目の生態系における位置付けや進化の道筋を明らかにする上で重要です。

系統

過去の分類体系

フトモモ目の構成は、過去の分類体系においても多様に見られます。クロンキスト体系では、フトモモ目はバラ亜綱のもとに分類され、以下のような14科が含まれています。

• - 被子植物門 (Magnoliophyta)
• - 双子葉植物綱 (Magnoliopsida)
• - バラ亜綱 (Rosidae)
• - フトモモ目 (Myrtales)
• - ハマザクロ科 (Sonneratiaceae)
• - ミソハギ科 (Lythraceae)
• - リンコカリクス科 (Rhynchocalycaceae)
• - アルザテア科 (Alzateaceae)
• - ペナエア科 (Penaeaceae)
• - クリプテロニア科 (Crypteroniaceae)
• - ジンチョウゲ科 (Thymelaeaceae)
• - ヒシ科 (Trapaceae)
• - ゼノフィト科 (Myrtaceae)
• - ザクロ科 (Punicaceae)
• - アカバナ科 (Onagraceae)
• - オリニア科 (Oliniaceae)
• - ノボタン科 (Melastomataceae)
• - シクンシ科 (Combretaceae)

新エングラー体系

新エングラー体系では、フトモモ科を中心とした「Myrtiflorae」という区分が設けられています。こちらでもフトモモ科が重要視され、多様な植物群が分類されています。

• - 被子植物門 (Angiospermae)
• - 双子葉植物綱 (Dicotyledoneae)
• - 古生花被植物亜綱 (Archichlamydeae)
• - フトモモ目 (Myrtiflorae)
• - ミソハギ科 (Lythraceae)
• - ヒシ科 (Trapaceae)
• - クリプテロニア科 (Crypteroniaceae)
• - フトモモ科 (Myraceae)
• - ディアリペタラントゥス科 (Dialypetalanthaceae)
• - ハマザクロ科 (Sonneratiaceae)
• - ザクロ科 (Punicaceae)
• - サガリバナ科 (Lecythidaceae)
• - ノボタン科 (Melastomataceae)

まとめ

フトモモ目は、その多様な植物群から成る重要な被子植物の分類群であり、様々な分類体系のもとで理解されています。生態学的、進化的な観点からも、今後の研究によりさらなる知見が期待されています。

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