バリトンオーボエ

バリトンオーボエとは

バリトンオーボエは、オーボエ属の楽器で、バスオーボエとも呼ばれます。オーボエよりも1オクターブ低い音域を持ち、その独特な音色が特徴です。見た目はコーラングレを大きくしたような形状をしていますが、構造や演奏技術にはいくつかの違いがあります。

ヘッケルフォーンとの比較

バリトンオーボエとよく比較される楽器にヘッケルフォーンがあります。これらは相互に代用されることもありますが、楽器の素材、リードやボーカルの形状、運指などに違いがあります。バリトンオーボエはオーボエのリードを拡大したようなものを使用するのに対し、ヘッケルフォーンはファゴットと同じくカエデの木で作られ、ファゴットに近いリードを用いることが多いです。そのため、それぞれの楽器には専門的なリード製作技術と、オーボエ属とは異なる演奏技術が求められます。

楽器の特徴

バリトンオーボエは、オーボエの約2倍の長さで、1オクターブ低い音が出ます。ただし、オーボエの最低音である変ロ（B♭）の1オクターブ下の音を持たない機種が一般的です。ヘッケルフォーンの中にはさらに低いイ（A）まで発音できるものもあります。近年では、ヘッケルフォーンに似たバリトンオーボエも登場しており、それらは追加キーにより、さらに低いヘ（F）まで発音可能です。

指使いはオーボエと基本的に同じですが、楽譜では1オクターブ高く書かれます。これは、実際に演奏される音は楽譜よりも1オクターブ低い音になるため、移高楽器に分類される理由です。音域としてはオーボエとファゴットの中間的な役割を果たしますが、一般的なオーケストラで使用されることは比較的少ない楽器です。

使用楽曲

バリトンオーボエが使用されている楽曲の例を以下に示します。

グスターヴ・ホルスト：『惑星』
ハヴァーガル・ブライアン：交響曲第1番『ゴシック』
* クシシュトフ・ペンデレツキ：『ピッツバーグ序曲』

これらの楽曲では、バリトンオーボエの独特な音色が効果的に使用され、作品に深みと色彩を与えています。ヘッケルフォーンが使用されている楽曲は、ここでは除外しています。

もう一度検索