バルフィ! 人生に唄えば

バルフィ! 人生に唄えば：ろうあ者の青年と2人の女性の愛の物語

この映画は、1970年代のインド、ダージリンとコルカタを舞台に、ろうあ者の青年バルフィと彼を取り巻く2人の女性、シュルティとジルミルの、複雑で感動的な愛の物語を描いています。

あらすじ

陽気で愛されキャラのろうあ者青年バルフィは、いたずら好きで警察の目をつけられていました。そんな彼が出会ったのは、婚約者のいるシュルティ。しかし、障害者であるバルフィとの結婚に反対するシュルティの母によって、2人の恋は悲しい結末を迎えます。

その後、父親の病気で多額の治療費が必要になったバルフィは、やむを得ず銀行強盗を企てますが失敗。幼なじみの自閉症の少女ジルミルを誘拐するという、とんでもない計画を実行します。ジルミルは富裕層の家庭に生まれたものの、自閉症のために両親から疎まれ、孤独な生活を送っていました。

バルフィはジルミルを誘拐しますが、既にジルミルは別の犯人に誘拐されていました。その犯人の要求に応じようとするジルミルの父を、バルフィは阻止し、ジルミルを救出してコルカタに逃亡。やがて2人は共に暮らすようになります。

6年後、コルカタでバルフィはシュルティと再会。シュルティは結婚生活に悩み、バルフィへの想いを再燃させます。しかし、この再会が、ジルミルの失踪、バルフィの逮捕、そして衝撃的な事件の連鎖を引き起こすことになります。

実はジルミルの誘拐事件は、彼女の遺産を狙った彼女の父ドゥルジョイによるものでした。ドゥルジョイは、ジルミルを殺害し、バルフィを犯人に仕立て上げようと画策します。しかし、バルフィを追い続けてきた警察のダッタ警部は、バルフィの善良さを知り、彼をシュルティに託します。

ジルミルの死を悲しむバルフィと、彼と結ばれたシュルティ。しかし、バルフィはジルミルの落書きを手がかりに、彼女が生きていること、そして事件の真相を発見します。ジルミルは、幼少期の世話係であるダージューに協力してもらい、保護施設で暮らしていたのです。

再会を果たしたバルフィとジルミルは結婚しますが、バルフィは病に倒れ、最期はジルミルに見守られて息を引き取ります。シュルティは、バルフィとジルミルを失った悲しみの中で、彼らとの出会いを振り返るのでした。

キャストと制作

この映画では、ランビール・カプール、プリヤンカー・チョープラー、イリアナ・デクルーズといったインドを代表する俳優陣が素晴らしい演技を見せています。特に、プリヤンカー・チョープラーの自閉症の少女ジルミル役は、繊細かつ力強い演技で観客の心を掴みました。

監督・脚本のアヌラーグ・バスは、バスター・キートンやチャールズ・チャップリンへのオマージュとして、サイレント映画をイメージしたコメディシーンを取り入れています。また、音楽も映画の雰囲気を大きく彩り、多くの賞を受賞しました。

批評と評価

『バルフィ! 人生に唄えば』は、インド国内外で高い評価を受け、数々の賞を受賞しました。キャストの演技、演出、脚本、音楽、そして障害者を肯定的に描いた点などが称賛されました。一方で、一部では既存作品からの盗作疑惑も指摘されましたが、監督はオリジナル作品であると反論しています。

興行収入も大成功を収め、インド映画史に残る名作として高く評価されています。

まとめ

『バルフィ! 人生に唄えば』は、ろうあ者の青年と2人の女性の複雑な愛、そして家族や社会との葛藤を描いた、感動的なヒューマンストーリーです。美しい映像と音楽、そして俳優陣の圧巻の演技が、忘れられない感動を観客に届けます。この映画は、障害の有無に関わらず、すべての人間の愛と人生の尊さを教えてくれるでしょう。

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