バレニー諸島

バレニー諸島の概要

バレニー諸島は南極海にある無人の火山島群で、ロス海域の北端に位置しています。1839年にイギリスの捕鯨船長ジョン・バレニーによって発見され、南極探検史上初めて人類が上陸した陸地とされています。これらの島々は南極環流の中心部にあり、海鳥や海獣にとって重要な生息地となっており、特にサブリナ島は南極特別保護地区に指定されています。

地理的特徴

バレニー諸島は南極大陸のオーツランドに位置し、約240km北北東のCape Kinseyから広がっています。主に3つの大きな島（ヤング島、バックル島、スタージ島）と2つの小さな島、そして露岩から構成され、全国合わせて400km²の面積を持つ火山島です。最高地点はスタージ島にあるブラウン・ピークで、標高は1,705mです。

島々は約160kmにわたって北西から南東に広がり、ボラデール島には南極線が通過しています。ニュージーランドはこの諸島を「ロス海属領」として領有権を主張しています。

発見の歴史

1839年2月9日、バレニーはエンダービー社の船長として南極海の探検に出発し、キャンベル島を経由してこの諸島を発見しました。彼は海氷に阻まれながらも、霧の中でこの島々を目にしました。同年2月11日、トーマス・フリーマンが短時間ではありますがボラデール島に上陸し、ここに南極圏で初めて人が足を踏み入れたと考えられています。命名もバレニー自身によるもので、同行した商人たちの名前を与えています。

この発見以降、1841年にジェームズ・クラーク・ロスが再度この島を訪れ、以降は数十年にわたり様々な探検隊がこの島々を視認します。1936年、英国海軍の調査船が立ち寄りましたが、上陸は実現しませんでした。1948年には再びアメリカの探検隊がボラデール島に上陸し、115年ぶりの記録がなされました。

自然環境と生態系

バレニー諸島は豊かな生態系を持っており、アデリーペンギンやヒゲペンギンなど、多様な鳥類が生息しています。特にサブリナ島はアデリーペンギンの最大の繁殖地であり、他にも多くの種類の海鳥が確認されています。アザラシも生息しており、カニクイアザラシやゾウアザラシなどが見られます。

この島々は南極条約に基づき、特別保護地区として守られており、研究対象としても重要です。ここに生息する動植物は、南極地域の生態系の独自性を反映しており、生物多様性の保護が不可欠とされています。

公的な保護

特にサブリナ島は、特別保護地区に指定されており、その環境保護が求められています。現在も多国籍の調査隊が定期的に訪れており、上陸や調査を通じてこの地域の深い知識を広めています。このように、バレニー諸島は探検史と生態系の両方において重要な地域であり続けています。

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