バレンタイン・キッス

バレンタイン・キッス：永遠の定番バレンタインソング

1986年、一世を風靡したアイドルグループ・おニャン子クラブからソロデビューを果たした国生さゆり。そのデビューシングルとしてリリースされた「バレンタイン・キッス」は、彼女の代表曲であり、今なおバレンタインソングの定番として親しまれています。作詞は秋元康、作曲は瀬井広明という豪華布陣で制作されたこの楽曲は、発売当時から大きな人気を博し、数々の記録を打ち立てました。

誕生秘話：デモテープから生まれた名曲

「バレンタイン・キッス」のメロディーは、作曲者である瀬井広明がCBSソニーに持ち込んだデモテープが原点でした。当初はバンドで発表する予定でしたが、ディレクターの意向により、国生さゆりのソロデビュー曲として採用されることになります。当初はカップリング曲として予定されていた「恋はRing Ring Ring」を差し置いて、表題曲に大抜擢されたというエピソードも、この楽曲の運命的な人気を物語っています。

フジテレビ『月曜ドラマランド』エンディングテーマ、そしてゴールドディスク大賞

「バレンタイン・キッス」はフジテレビの人気番組『月曜ドラマランド』のエンディングテーマに抜擢され、その知名度をさらに高めました。そして、第1回日本ゴールドディスク大賞The Best Single of The Yearを受賞。作曲者瀬井広明氏は、コンパクトディスクを模したその受賞盾を現在も経営するライブバーに飾っているそうです。初回盤はイエローカラー盤で発売され、予約特典として国生さゆりとおニャン子クラブメンバーのトークが収録されたソノシートが配布されました。ジャケット写真のメイクとスタイリングは、国生さゆり自身が行ったという逸話も残っています。

バレンタインデーの定番曲としての地位確立

1986年6月末時点での売上枚数は55万枚を記録。クリスマスと並んで、2月14日のバレンタインデーを彩る定番曲として確固たる地位を築きました。2000年代後半から2010年代前半にかけては、Perfumeの「チョコレイト・ディスコ」と共にバレンタインソングの双璧をなしていましたが、フジテレビの番組調査によれば、2001年以降も「バレンタイン・キッス」がバレンタイン時期に最も多く放送された楽曲としてトップを維持しており、その人気は衰えることを知りません。

歌詞と放送日、そして印税

興味深い点として、歌詞の内容はバレンタインデーの前日、2月13日を描写しています。1986年 2月14日放送の「夕やけニャンニャン」では、「明日」という歌詞が「今日」に変更されて歌われ、以降、2月14日にこの曲を歌う際は同様の変更がされることが多くなりました。また、サビでは「バレンタインデー・キッス」と繰り返されていますが、正式なタイトルは「バレンタイン・キッス」です。なお、国生さゆり本人が受ける印税は年数百円単位という意外な事実も明らかになっています。

リメイク、コラボレーション、そしてカバーの数々

「バレンタイン・キッス」は、時代を超えて愛され続ける名曲として、数々のリメイクやコラボレーション、カバーが制作されています。2007年には国生さゆり自身によるリメイク版が配信され、2008年には新たなレコーディングによるCDが発売されました。アイドルグループアイドリング!!!とのコラボレーションや、AKB48の公演での歌唱、テレビ番組での歌唱など、様々な形で現代に蘇り続けています。

さらに、数多くのアーティストが「バレンタイン・キッス」をカバーしています。キッチンゴリラ、後藤沙緒里、渋谷トランス向上委員会、広瀬香美、矢口真里、そしてAKB48やその派生ユニット渡り廊下走り隊7、乃木坂46など、ジャンルを超えた幅広いアーティストが、この曲を自身のスタイルで表現しています。アニメ『らき☆すた』や『テニスの王子様』など、アニメ作品でも使用され、その人気は世代を超えて広がり続けています。

渡り廊下走り隊7によるカバー：AKB48派生ユニットによる新たな解釈

AKB48の派生ユニット、渡り廊下走り隊7も「バレンタイン・キッス」をカバーしています。2011年にリリースされたこのカバーバージョンは、オリジナル発売から25年を経た後世へのリスペクトと、新たな世代へのメッセージが込められています。このカバーも高い人気を博し、オリコン週間チャートで2位を記録するなど、オリジナルに匹敵する成功を収めました。

まとめ：時代を超えて愛される永遠の定番ソング

「バレンタイン・キッス」は、単なるヒット曲にとどまらず、日本の音楽史に名を刻んだ名曲です。その誕生秘話、数々のリメイクやカバー、そしてバレンタインソングとしての圧倒的な人気は、この楽曲が持つ普遍的な魅力を証明しています。これからも、多くの人の心を魅了し続ける、不滅の名曲として輝き続けることでしょう。

もう一度検索