バローロ (ワイン)

バローロ (Barolo)

バローロは、イタリア・ピエモンテ州のバローロ村とその周辺の限られた地域で生産される、イタリアを代表する赤ワインです。EUの原産地名称保護制度において最上位のDOCGに認定されており、その品質の高さが保証されています。

概要

ピエモンテ地方は、ジビエ料理が豊富な土地柄です。その食文化に合わせて、バローロは長期熟成に耐えうる、色が濃く、しっかりとしたタンニンと深いコクを持つワインとして発展してきました。ネッビオーロ種というブドウ品種から作られるバローロは、アルコール度数が高く、非常に重厚な味わいが特徴で、「ワインの王様、王様のワイン」とも呼ばれています。同じネッビオーロ種を主原料とするバルバレスコと並び、イタリアを代表する最高級ワインとして世界中で評価されています。

1970年代以降、ピエモンテ州のワイン生産者たちは、フランスやアメリカといったワイン先進国を追いかけるように、近代的な醸造技術を導入し、高品質なワイン造りに取り組み始めました。この新しいスタイルのバローロは、アメリカで高い評価を得たことをきっかけに、国外市場で高値で取引されるようになり、経済的な成功を目指して多くの生産者が追随しました。

しかし、その結果、伝統的な製法を守る生産者と、最新技術を取り入れた生産者の間で意見の対立が生まれ、同じバローロという名前でありながら、異なるスタイルのワインが市場に混在するという状況を招きました。この状況は、「バローロ戦争」と呼ばれることもあります。伝統的なバローロは、長期熟成によって複雑な香りと味わいを引き出すことを重視しますが、新しいスタイルのバローロは、より早く飲めるように、タンニンを柔らかくし、果実味を豊かにすることを重視する傾向があります。

バローロは、その複雑な背景と多様なスタイルを持つ、奥深い魅力に満ちたワインです。ぜひ一度、お試しください。

参考文献

塩田正志『プロフェッショナルのためのイタリアワインマニュアル』改訂版　株式会社ワイン王国、2010年。

関連項目

イタリアワイン
DOCG
バルバレスコ (ワイン)

外部リンク

* ワインの王様バローロのワイナリーに潜入 - <イタリア> All About

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