バンコ・ブラデスコ

バンコ・ブラデスコSA（Banco Bradesco S.A.、ニューヨーク証券取引所ティッカーシンボル：BBD）は、南米最大の経済国であるブラジルを代表する主要金融機関の一つです。ブラジルの銀行セクターにおいて、他の大手行であるブラジル銀行、イタウ・ウニバンコ、バンコ・サンタンデール・ブラジルと共に、国内四大銀行の一角を形成しています。

同行の事業拠点は、ブラジル南東部に位置するサンパウロ州オザスコに本社を置いています。国内におけるネットワークは非常に広範で、3,200を超える多数の支店網を構築しており、全国の顧客に対して金融サービスを提供しています。また、国際的な業務展開も積極的に行っており、主要な海外拠点としてニューヨーク、ケイマン諸島、ナッソーなどに支店を設けています。

バンコ・ブラデスコが提供するサービスは、伝統的な銀行業務の枠を超え、非常に多岐にわたります。単なる預金や融資といった機能だけでなく、インターネットバンキングを通じたデジタルサービス、保険商品の提供、年金関連サービス、各種クレジットカードの発行、さらには個人向けおよび商業向けの幅広い種類のローン商品の取り扱いなど、顧客の多様な金融ニーズに応える総合的な金融サービスグループとして活動しています。

同行の歴史を振り返ると、特にプライベートバンキング部門において、かつてはブラジル国内で最大手としての地位を確立していました。しかし、2009年にウニバンコとバンコ・イタウのプライベートバンキング部門が統合されたことにより、国内の勢力図に変化が生じました。

近年、バンコ・ブラデスコは事業のさらなる拡大を目指し、戦略的なM&A（合併・買収）を積極的に実行しています。これにより、同行の規模や市場シェアは著しく向上しました。主な買収事例としては、エスタード・ド・マラーニャオン銀行、サンパウロ商業銀行、Banco Nossa Caixaといった国内の金融機関や、スペインに本拠を置くビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行（BBVA）のブラジルにおける銀行部門の取得が挙げられます。さらに、資産運用会社のJPモルガン・フレミングの買収も行い、アセットマネジメント分野での事業基盤強化を図っています。

バンコ・ブラデスコの株式は、国内外の主要な証券取引所に上場しており、投資家からの注目を集めています。主な上場市場はサンパウロ証券取引所であり、ここでは同行の株式が最も活発に取引されています。それに加えて、ニューヨーク証券取引所（NYSE）や、欧州のマドリード証券取引所（BME）にも上場しており、国際的な資金調達や知名度の向上に努めています。これらの上場を通じて、世界中の投資家がバンコ・ブラデスコの株式にアクセスできるようになっています。

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