バンダイナムコクラフト

株式会社バンダイナムコクラフト（英称：Bandai Namco Craft Inc.）は、日本の製造企業であり、主に玩具や食玩、電子ゲーム、文具、さらにはOEM（相手先ブランドによる生産）製品など、多岐にわたる品目の企画立案から開発、そして製造までを一貫して担っています。本企業は、株式会社バンダイの完全子会社として、バンダイナムコグループのものづくりにおける重要な一翼を担っています。

その起源は1994年4月1日に遡ります。当時のバンダイグループにおいて、玩具の加工・生産を担当していた部門が独立し、株式会社シーズとして設立されたのが始まりです。以来、製造技術を基盤としながら事業を拡大し、2022年4月1日には、株式会社シーズから現在の株式会社バンダイナムコクラフトへと社名を変更しました。

沿革をたどると、創業初期は玩具の生産が中心でしたが、1996年にはCD事業を開始するなど、多角化への試みが見られます。その後、2003年2月にCD事業を他社へ譲渡し、同年3月には「加工型企業」から「企画開発型企業」への転換を明確に打ち出しました。これは、単に与えられた設計に基づいて製品を製造するだけでなく、自ら製品の企画や開発段階から積極的に関与していく姿勢を示すものでした。

品質管理体制の強化にも早くから取り組み、1997年3月にはISO 9000認証を、2002年5月にはISO9001-2000認証を取得。その後も品質マネジメントシステムの維持・向上に努めています。環境マネジメントシステムに関しても、2006年2月にISO 14001認証を取得し、環境負荷低減に向けた取り組みを進めています。

製品開発体制の拡充としては、1999年4月にエレクトロニクス部門を、2000年3月には金型部門を設置。これにより、電子部品を含む製品や、精密な製造に不可欠な金型を内製化できる体制を構築しました。また、製造拠点の強化として、2013年9月には国内製造ラインを新たに設置しています。

2004年10月からは、バンダイの相談センター業務の一部も担うようになり、顧客サポートの側面からもグループ事業に貢献しています。

さらに、医療機器分野への進出というユニークな展開も見せています。2007年10月には医療機器メーカーとの取引を開始し、2014年8月には医療機器製造業（一般）許可を取得。医療機器の品質マネジメントシステムに関するISO 13485やJIS Q 13485の認証も取得しましたが、2021年12月には業務内容の変更に伴い、これらの認証は終了しています。

社会貢献活動としては、東日本大震災からの復興支援の一環として、2012年3月にデザイナーや地元の学生らと協力し、工場の壁面に巨大壁画を制作しました。

企業としての変化の節目としては、2017年5月の本社移転、そして2022年4月の株式会社バンダイナムコクラフトへの社名変更があります。

これらの歴史を通じ、株式会社バンダイナムコクラフトは、バンダイグループにおける多様な製品のものづくりを支え、企画・開発・製造の各段階で培った技術とノウハウを活かし、幅広い分野で事業を展開する企業として発展を続けています。

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