バンデイランテス

バンデイランテス：ブラジル奥地探検隊の功績と光と影

バンデイランテスとは、17世紀中頃にブラジル（サンパウロ）を拠点に活動した奥地探検隊のことです。白人を中心に、メスチーソや先住民も加わった武装集団であり、ブラジルの歴史において重要な役割を果たしました。

バンデイランテスの活動と功績

当時ポルトガルの植民地だったブラジルにおいて、バンデイランテスはサンパウロを拠点に奥地の開発・開拓を目的とした探検隊を組織しました。サンパウロは、南米最大の都市へと発展しましたが、その背景にはバンデイランテスの存在がありました。大西洋に面するサントス港から内陸への経由地として発展したサンパウロは、バンデイランテスの活動拠点として重要な役割を担ったのです。

彼らの活動は、サトウキビ農園の開拓、労働力の確保、金・銀・銅・鉄などの鉱山資源の発見など、多岐にわたりました。これらの活動は、ポルトガルによる南米開拓を大きく促進しました。さらに、トルデシリャス条約によって定められたポルトガルの領域を超えて開拓を進めた結果、現在のブラジル領土の形成に大きく貢献しました。

バンデイランテスの負の側面

しかし、バンデイランテスの活動は、負の側面も持ち合わせていました。彼らの進出の過程で、先住民の村が破壊され、住民が奴隷として扱われるなどの悲劇が起こりました。カトリックの宣教師が設立した宣教村も例外ではありませんでした。グアラニー族をはじめとする先住民は、バンデイランテスによって生活基盤を奪われ、過酷な状況に置かれたのです。

バンデイランテスの名を残すもの

現在、バンデイランテスという名は、サンパウロから北西内陸部へ通る高速道路「Rodovia dos Bandeirantes」の名称として使用されています。これは、かつての奥地探検ルートをなぞるものであり、彼らの足跡を今に伝えるものです。その他、各地の道路名「Rua」などにもその名を見ることができます。

著名なバンデイランテス

ジョアン・ダ・シルバ・ギマランエス
アントニオ・ピレス・デ・カンポス：1681年に先住民の襲撃を受けた川を「死の川」と命名した。

まとめ

バンデイランテスは、ブラジルの歴史において重要な役割を果たした一方で、先住民に対する負の遺産も残しました。彼らの功績と過ちを正しく理解することは、ブラジルの歴史を深く知る上で不可欠です。

参考文献

山田睦男 編『概説ブラジル史』有斐閣、1986年
金七紀男 編 『ブラジル史』東洋書店, 2009年
エルメス・レアル『アマゾンの封印 探検家フォーセット大佐 “インディ・ジョーンズ”真実の物語』1999年、自由國民社

関連項目

奴隷
ムラート
ブラジルの歴史
ヨーロッパ諸国によるアメリカ大陸の植民地化
コンキスタドール

もう一度検索