バンベルク市街

バンベルク市街：中世の宝石箱

バンベルク市街は、ドイツ・バイエルン州に位置し、1993年にユネスコの世界遺産に登録された美しい都市です。第二次世界大戦の戦火を免れたため、中世の建築物や都市景観が奇跡的に保存されており、その歴史的価値は非常に高いと言えます。2005年には、世界遺産としての保全活動を支援するための文献情報センターが設立され、その保護への意識の高さが伺えます。

バンベルクの主要な景観

バンベルク大聖堂

街の象徴とも言えるバンベルク大聖堂は、後期ロマネスク様式の壮麗な建造物です。4つの尖塔が特徴的で、その高さは約81メートルにも及びます。1004年に神聖ローマ皇帝ハインリヒ2世によって最初の造営がなされ、幾度かの改築を経て、現在の姿となりました。

大聖堂内には、数多くの美術作品が収蔵されています。中でも、彫刻家ティルマン・リーメンシュナイダーが1499年から1513年にかけて制作した、ハインリヒ2世夫妻の大理石の墓は必見です。また、バンベルクの騎馬像（Der Bamberger Reiter）と呼ばれる彫像も、1200年頃の作品とされ、貴重な文化財となっています。さらに、ローマ教皇クレメンス2世の墓も安置されています。

旧宮殿 (Alte Hofhaltung)

絵画のように美しい旧宮殿は、1591年にバンベルク伯の旧邸宅の敷地に建てられました。新宮殿が建てられるまでの間、司教の居館として使用されました。

新宮殿 (Neue Residenz)

1698年から1704年にかけて建造された新宮殿は、かつて司教領主や元ギリシャ王オソン1世が領有していました。壮麗な薔薇園からは、バンベルクの街並みを一望できます。

アルテンブルク城

バンベルクで最も高い丘の上に位置するアルテンブルク城は、1251年から1553年の間、バンベルク司教の宮殿として使用されました。1553年に破壊された後は、監獄として使用され、次第に荒廃していきました。1801年にA.F.マルクス博士が城を買い上げ、修復。博士の友人であったドイツ人作家E.T.A.ホフマンもこの城に滞在し、感銘を受けました。現在は城郭保護協会によって管理されています。

その他の名所

バンベルクには、他にも数多くの教会や歴史的な建造物があります。11世紀のロマネスク様式のヤコブ教会、純粋なゴシック様式に修復されたマリア教会（オーベレ・プファル教会）など、見どころが満載です。また、ミヒャエルスベルクにあるミヒャエル修道院教会は、現在は博物館やギャラリーとして利用されています。

下町につながるオーベレ・ブリュッケ橋の中ほどには、（旧）市庁舎が建っています。レグニッツ川沿いには、「小ヴェネツィア」と呼ばれる、趣のある漁師たちの住宅が立ち並ぶ一画があり、観光客に人気です。

世界遺産登録基準

バンベルク市街は、以下の世界遺産登録基準を満たしています。

(2) ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
(4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。

バンベルク市街は、中世の面影を色濃く残す貴重な都市景観を有し、訪れる人々を魅了し続けています。歴史と文化が息づくこの街で、時間を忘れて散策してみてはいかがでしょうか。

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