バークス峠

バークス峠の歴史

バークス峠（Burkes Pass）は、ニュージーランド南島のカンタベリー地方に位置し、マッケンジー地方への入口となる峠です。ステートハイウェイ8号線が通り、交通の要所として重要な役割を果たしてきました。この峠の名前は、1855年にマッケンジー地方への道を発見したマイケル・ジョン・バーク（Michael John Burke）に由来します。バークはダブリン大学の卒業生であり、この発見により、悪名高い羊泥棒ジェームズ・マッケンジー（James Mckenzie）が使っていたマッケンジー峠に代わる新たなルートが開かれたのです。

興味深いことに、バークが峠を越えた最初のヨーロッパ人ではなかった可能性も指摘されています。1855年以前に、G Dunnageという人物がこの付近でキャンプをしていたという記録があります。これは、バークが発見する以前にも、この地域に足を踏み入れた者がいたことを示唆しています。

1857年から1858年にかけて、バークス峠を通る荷車道が整備されました。この道が完成すると、入植者や牛の一団は、マッケンジー地方への主要なルートとしてこの峠を利用するようになりました。それ以前は、マオリ族が平原のクイナや渓流と湖のウナギが豊富な土地として知っていたマッケンジー地方への旅は、困難で時間のかかるものでした。そのため、旅人のための休憩場所の必要性がすぐに認識され、峠の麓に町が形成されることになります。

1859年には、峠の西側2.6平方キロメートルの土地が、石炭、木材、食料などの物資を供給するための倉庫として利用されることになりました。この場所は、ソーダンクリーク（Sawdon Creek）の近く、ステリッカーズマウンド（Sterickers Mound）とバージェス山（Mount Burgess）の山脚の間という、荒涼とした吹きさらしの地域でした。しかし、ジョン・バージェス（John Burgess）は、公的な町区を無視し、1861年にキャベツツリークリーク（Cabbage Tree Creek）沿いに最初のホテルを建設しました。このホテルが町の中心となり、町は最初キャベツツリークリーク、次にクルーリ（Clulee）、そして最終的にバークスパスとして知られるようになりました。

半世紀以上の間、多くの人々がこの町を通り過ぎ、バークスパスはマッケンジー地方の開拓者にとって社会活動やスポーツの中心地となりました。町の全盛期は1890年から1910年の間であり、人口は143人、3人の教師がいる学校がありました。しかし、バークスパスの将来を約束するはずだった鉄道は、1884年にフェアリー（Fairlie）で止まってしまい、その中心的役割はフェアリーに移りました。さらに、1891年にクック山道路委員会が4対3の投票でフェアリーに移転することを決定し、バークスパスは中心地としての地位を完全に失うことになりました。


現在では、バークスパスは静かな小さな町ですが、その歴史的な重要性は失われていません。かつての交通の要所として、そしてマッケンジー地方開拓の歴史を語る場所として、今もその名を知られています。

外部リンク

* The Burkes Pass Heritage Trust

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