バークラ経

バークラ経について

『バークラ経』（バークラきょう、巴: Bākula-sutta）は、パーリ仏典の中部経典に位置する第124経であり、この経は仏教における重要な教えが詰まっています。この経典は、また『薄拘羅経』（ばっくらきょう）とも呼ばれ、同様の内容が漢訳の『中阿含経』の第32経に見られます。

概要

本経は、長老バークラ（薄拘羅）が80年にわたる修行生活の経験を友人である裸行者カッサパに語る形式で展開されます。彼の教えは、長い修行から得た戒律への遵守や心の在り方を通じて、仏道の重要性を伝えています。特に、バークラの智慧と道徳的な姿勢は、後にカッサパが仏道の出家者として成長するきっかけとなります。

登場人物

• - バークラ（薄拘羅）: 仏弟子の一人であり、160歳という長寿を誇る長老です。彼の豊かな修行経験は、信者たちに強い影響を与えます。
• - カッサパ: バークラの友人である裸行者で、彼の教えに感銘を受け、出家し阿羅漢の境地に至ります。

重要な場面

物語は、ラージャガハのカランダカニヴァーパ（竹林精舎）で展開されます。ある日、バークラ長老は長い修行生活を送ってきたカッサパと再会し、出家して何年経ったか尋ねられます。バークラは自らの80年の修行を告げ、続いてその間に守り続けた戒律を詳細に語り始めます。この時、彼が守り続けた戒律の数々を誇り高く述べる様子に、カッサパは感動し、感銘を受けます。

バークラの教えに触れることで、カッサパは仏道の出家者として歩む決意を固めます。そして、自らも少しずつ成長し、最終的には阿羅漢となります。この展開は、生涯にわたる修行の重要性を示すものであり、バークラの存在がカッサパの人生を変えたことを意味します。

バークラの入滅

物語の終盤では、バークラ長老が坐ったまま入滅（般涅槃）する場面が描かれています。彼の入滅は、彼の長年の修行と智慧がこの世から去ることを示し、多くの弟子たちにとって彼の教えが心に刻まれ続ける瞬間でもあります。

文献情報

『バークラ経』は、以下の資料で日本語に訳されています。

• - 『南伝大蔵経・経蔵・中部経典4』（第11巻下） - 大蔵出版
• - 『パーリ仏典 中部（マッジマニカーヤ）後分五十経篇I』 - 片山一良訳、大蔵出版
• - 『原始仏典 中部経典4』（第7巻） - 中村元監修、春秋社

関連項目

本経が扱う内容に関連するテーマには、[戒律]]や修行が含まれ、これらは仏教徒にとって重要な要素となっています。また、オンラインリソースとして、[Bākulasuttaṃ - Tipitaka.orgへのアクセスも可能です。

このように『バークラ経』は、長老バークラの教えを通じて戒律の重要性や仏道への志向を伝える貴重な経典であり、仏教の教えを学ぶ上で欠かせない存在です。

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