バーコリ

バーコリは、イタリア共和国のカンパニア州に属し、ナポリ県に位置する基礎自治体（コムーネ）です。その人口は約2万6千人規模となっています。ナポリ湾の北側に広がるこの町は、特に古代ローマ時代に栄えたクマエ（現在のクーマ）、バイアエ（現在のバイア）、そしてミセヌム（現在のミゼーノ）といった重要な歴史的都市の跡地をその領域に含んでいます。これらの古代都市の存在は、バーコリの歴史的な深さと重要性を示唆しています。

地理

地理的には、バーコリはナポリ県の北東部に位置しており、フレグレア半島の先端、特にナポリ湾に面した一帯を占めています。その市域は特徴的な形で海に囲まれており、東側はナポリ湾に、西側はティレニア海にそれぞれ接しています。主要都市からの距離としては、県都ナポリから西南西へ約18キロメートル、またカゼルタからは南西へ約38キロメートルの位置関係にあります。古代からの歴史的建造物が点在するこの地域は、地理的な美しさも兼ね備えています。

行政

バーコリ自治体の領域内には、複数の分離集落（フラツィオーネ）が存在します。主なものとしては、Baia、Capo Miseno、Cappella、Cuma（一部）、Faro、Fusaro、Miliscola、ミゼーノ、Scalandrone、Torregavetaなどが挙げられます。これらの集落は、それぞれ独自の特色や歴史的背景を持っている場合があります。

交通

バーコリにおける主要な交通手段の一つとして鉄道があります。Ente Autonomo Volturno (EAV) によって運営されており、クマーナ線とチルクムフレグレア線の二路線が町を通っています。クマーナ線はトッレガヴェータ駅やFusaro駅といった町内の駅を経由し、ポッツォーリやナポリ・モンテサント方面へと接続しています。同様にチルクムフレグレア線もトッレガヴェータ駅やLido Fusaro駅などを経由し、ポッツォーリ、クアルト、そしてナポリ・モンテサントといった各地を結んでいます。これらの路線は、地域の住民や観光客にとって重要な移動手段となっています。

ゆかりの人物

バーコリゆかりの歴史的人物としては、古代ローマ帝国の皇帝たちの名が挙げられます。ローマ皇帝ティベリウスは、バーコリ市域に含まれるミセヌムの地でその生涯を終えました。また、同じくローマ皇帝であったハドリアヌスも、バイアエの地で没したとされています。これは、バーコリとその周辺地域が古代ローマ時代においていかに重要な場所であったかを示す証拠の一つと言えるでしょう。彼らの存在は、この地の歴史が持つ深い層を物語っています。

バーコリは、古代ローマ時代の栄光と、現代の生活が息づく魅力的な町です。海に面した美しい景観と、歴史的な遺跡が共存しており、訪れる人々に多様な側面を見せてくれます。

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