バージニア (原子力ミサイル巡洋艦)

USS バージニア (CGN-38)

USSバージニア（CGN-38）は、アメリカ海軍の原子力ミサイル巡洋艦で、バージニア級の初代艦にあたります。この艦の名称は、故郷であるバージニア州にちなんで付けられました。バージニアは、その艦名を持つ艦としては5隻目にあたります。

艦歴

バージニアの建造は1972年8月19日にニューポート・ニューズ造船所で始まりました。1974年12月14日にはバージニア・S・ウォーナーの命名によって進水し、当初はミサイルフリゲート DLGN-38として分類されましたが、1975年6月にはミサイル巡洋艦 CGN-38に艦種変更されました。1976年9月11日に初代艦長のジョージ・W・デイヴィスの指揮のもとで就役しました。

バージニアは就役後、東海岸から西インド諸島への巡航を行い、艦艇としての試験や訓練に従事しました。1977年にはノーフォーク海軍造船所で約5ヶ月間の信頼性試験を行った後、大西洋艦隊での作戦行動を開始し、その後も様々な海軍演習や訓練を実施しました。

特に1978年には、NATOの演習「オペレーション・ノーザン・ウェディング」に参加し、北ヨーロッパでの配備期間中にノルウェー、オランダ、イギリスを訪問しました。1980年代にはインド洋への配備やレバノンでの哨戒活動など、緊急な対応も多く行われました。1983年にはレバノンの武装勢力との接触があった際に迅速な支援を行い、第六艦隊での重要な任務を果たしました。

その後、1979年前半には地中海への配備を準備し、1984年にはノーフォーク海軍造船所でオーバーホールが行われ、トマホーク・ミサイルシステムの追加と攻撃巡洋艦への転換が行われました。

バージニアは1990年にオペレーション・デザート・シールド、続いてデザート・ストームに参加し、指揮官として多くの成功を収めました。1991年には、イラクに向けて発射したトマホークミサイルの射程が戦闘において最も長距離であることが注目されました。

しかし、クリントン政権下での軍予算削減により、この艦は1994年11月10日に退役しました。その後、1999年3月には原子力艦の再利用プログラムに基づいて解体され、2002年9月にはそのプログラムが完了しました。

現在の状況

今では、バージニアのミサイル発射筒がバージニア州ポーツマスのノーフォーク海軍造船所に展示されています。この艦艇の歴史は、アメリカ海軍の発展とその戦略的重要性を物語っています。バージニアが遂行した多くの任務やその展開は、海軍の能力を象徴するものといえるでしょう。

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