バーチ・スミス

バーチ・テイラー・スミス：異色の経歴を持つ右腕

バーチ・テイラー・スミス（Burch Taylor Smith）は、1990年4月12日生まれ、アメリカ合衆国テキサス州サンアントニオ出身のプロ野球選手です。右投右打の投手であり、現在はピッツバーグ・パイレーツ傘下に所属しています。彼の野球人生は、ドラフト指名からの大学進学、そして数々の球団を渡り歩くという、波瀾万丈なものでした。

プロ入り前

スミスは、2009年と2010年のMLBドラフトでクリーブランド・インディアンスから指名を受けましたが、契約には至りませんでした。2010年にはオクラホマ大学へ編入し、大学で実力を磨きました。

プロ入りとパドレス時代

2011年、スミスはMLBドラフト14巡目（全体443位）でサンディエゴ・パドレスから指名され、プロとしてのキャリアをスタートさせました。ルーキー級でのデビュー後、A+級では26試合に先発し9勝を挙げるなど、着実にステップアップしていきました。

2013年にはAA級で好投し、メジャー契約を勝ち取ります。5月11日のタンパベイ・レイズ戦でメジャーデビューを果たしましたが、初登板はほろ苦い結果となりました。その後、AAA級への降格、再昇格を経験しながら、9月15日のアトランタ・ブレーブス戦で7回無失点10奪三振という圧巻の投球を披露し、メジャー初勝利を挙げました。

レイズ傘下時代

2014年オフには三角トレードでタンパベイ・レイズへ移籍。しかし、2015年にトミー・ジョン手術を受けたため、2年間はリハビリに専念することとなりました。

ロイヤルズ、ブルワーズ、ジャイアンツ、アスレチックス時代

2017年オフにルール・ファイブ・ドラフトでニューヨーク・メッツから指名され、その後カンザスシティ・ロイヤルズへ移籍。2018年には38試合に登板しましたが、防御率は6.92と苦しみました。その後、ミルウォーキー・ブルワーズ、サンフランシスコ・ジャイアンツ、オークランド・アスレチックスと、目まぐるしく球団を移籍しました。

西武ライオンズ時代

2022年、スミスは埼玉西武ライオンズに入団し、日本球界に挑戦します。4月19日の千葉ロッテマリーンズ戦でNPB初登板を初先発で飾ると、7回を無安打無失点に抑える快投を演じました。惜しくもノーヒットノーラン達成とはなりませんでしたが、初登板初勝利という鮮烈なデビューを飾りました。しかし、同年オフに契約満了となり、退団。

ハンファ・イーグルス時代

2022年オフにはKBOリーグのハンファ・イーグルスと契約。2023年の開幕投手を務めましたが、怪我により短期間で退団となりました。

マーリンズ、オリオールズ時代

2024年はタンパベイ・レイズとマイナー契約を結び、その後マイアミ・マーリンズへ移籍。さらにボルチモア・オリオールズでもプレーしました。

パイレーツ傘下時代

2025年からはピッツバーグ・パイレーツとマイナー契約を結び、再びメジャーの舞台を目指しています。

投球スタイル

スミスの最速球速は、2018年シーズンに記録した99.0mph（約159.3km/h）です。2021年シーズンでも97.3mph（約156.6km/h）を記録しており、力強い速球が持ち味です。

まとめ

バーチ・スミスは、その長いキャリアの中で、数多くの球団を渡り歩き、様々な経験を積んできました。MLB、NPB、KBOといった各国のプロリーグでプレーし、2022年にはNPB初登板でノーヒットノーランに迫る快投を見せるなど、記憶に残る活躍をしました。彼の今後の活躍にも注目です。

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