バーデン本線

バーデン本線：ドイツを縦断する鉄道の要

バーデン本線（ドイツ語: Badische Hauptbahn）は、ドイツのバーデン＝ヴュルテンベルク州に位置し、マンハイムからコンスタンツを結ぶ主要な幹線鉄道です。この路線は、ハイデルベルク、ブルクサール、カールスルーエ、バーデン＝バーデン、オッフェンブルク、フライブルク・イム・ブライスガウ、バーゼル、ジンゲンといった重要な都市を経由します。

特に、マンハイム - バーゼル間は「ライン谷線」または「上ライン線（Oberrheinbahn）」、バーゼル - コンスタンツ間は「高地ライン線（Hochrheinstrecke）」という別名で呼ばれています。1987年4月からは、カールスルーエ - バーゼル間において高速新線および改良線の建設が進められています。

概要

マンハイム - バーゼル間は、旅客輸送だけでなく貨物輸送においてもドイツで最も輸送量の多い路線の一つです。フランスやスイスへの国際列車が多く運行されていることも、その理由の一つです。2011年には、この路線の通行量は126%に達し、過密状態となっていました。そのため、列車は短い間隔で運行される必要がありました。

ICやICEなどの特急列車は、マンハイム中央駅、ハイデルベルク中央駅、カールスルーエ中央駅、フライブルク中央駅、バーゼル・バディッシャー駅に停車します。遠距離列車は、ヴィースロッホ＝ヴァルドルフ駅、ブルクサール駅、カールスルーエ・ドゥアラッハ駅、ラシュタット駅、バーデンバーデン駅、オッフェンブルク駅にも停車することがあります。

マンハイム - カールスルーエ間では、2003年12月からラインネッカーSバーンが運行されています。ブルクサル - ラシュタット - アッヘルン間では、カールスルーエのトラムトレイン路線網が運営されています。その他の区間では、普通列車や快速列車が30分または60分間隔で運行されています。

路線の起点と終点には大規模な貨物用操車場があり、本線の両側に位置しています。ハイデルベルクの操車場は廃止され、現在は住宅地区となっています。主要な貨物駅は、カールスルーエ、オフェンブルク、フライブルクにあります。特にカールスルーエ貨物駅には電子式信号扱い所が設置されており、貨物列車はカールスルーエの中央指令所から統制を受けています。

沿線概況

マンハイム - ハイデルベルク間は、ドイツ南西部で最も古い区間であり、遠距離列車、快速列車、Sバーン、貨物列車が頻繁に運行されています。列車はライン地溝帯を一直線に貫通し、ハイデルベルクへと向かいます。ハイデルベルク中央駅は、かつては頭端式ホームの形態で現在のアデナウアー広場に位置しており、中心部へのアクセスが容易でした。1914年にはハイデルベルク市街の西端に貨物駅と操車場が開業し、中央駅移転のための作業が開始されました。1955年にハイデルベルク中央駅は現在の場所に移転し、ハイデルベルク貨物駅と操車場は廃止されました。

ハイデルベルク - カールスルーエ間は、ライン地溝帯の東端に沿って南北方向に連結されています。列車はヴィースロッホ＝ヴァルドルフ駅を経由し、アウトバーン6号の下を横切ります。キスラウ城、カツバッハ線、ブルクサール駅などを通過し、カールスルーエ中央駅に到着します。

ラシュタット - バーゼル間は、シュリーンゲン - エフリンゲン・キルヒェン間が湾曲しており、ライン川とイシュタイン山稜の間を通過します。バーゼル・バーディッシャー駅からは、チューリヒ方面への連絡線が接続します。

バーゼル・バーディッシャー駅からは国境を越え、ヴァルツフートまでライン川の右岸を走行します。その後、クレットガウ地帯の北部を通じてシャフハウゼンに至り、へーガウ地域の南側を貫通してラードルフツェル駅に到着します。そこからコンスタンツまではボーデン湖の下湖のみずぎわと並行し、ライン川の鉄道橋を通じて終点のコンスタンツ駅に到着します。

歴史

バーデン本線の建設は、1830年代初頭に始まりました。当時、馬車よりも迅速に旅客や貨物を輸送する手段として鉄道が注目され、マンハイム - バーゼル間の鉄道建設が計画されました。1840年12月12日にはマンハイム - ハイデルベルク間が最初に開通し、その後、カールスルーエ、オッフェンブルク、フライブルクへと延伸されました。

路線の建設にあたっては、終点の選定やスイスへの連結方法が問題となりましたが、1855年2月20日にハルティンゲン - バーゼル・バディシャー駅間が開業し、1856年10月30日にはバート・ゼッキンゲンからヴァルトフートまで延長されました。1859年8月にはライン川鉄道橋を通じてバーデンとスイスが連結されました。

当初、バーデン本線は1600mmの広軌で建設されましたが、後に標準軌に改修されました。1870年にはマンハイム - カールスルーエ間で別の新線が開業し、バーデン本線はバーデン・ライン線と接続することになりました。1870年代にはバーゼル連絡線およびボェツベルク線の開通により、バーデンとスイス中部の間で鉄道連結が用意されました。

ドイツ帝国鉄道時代から現代へ

1920年にドイツ帝国鉄道が設立されると、バーデン本線は他の路線とともに帝国鉄道に所属することになりました。第二次世界大戦中には、主要駅や橋梁が激しい爆撃を受けましたが、戦後、復旧が進められました。1950年代にはライン谷線の電化が行われ、1958年6月に電気運転が開始されました。

現在、バーデン本線はカールスルーエ - バーゼル高速線の建設が進められており、さらなる高速化と輸送力増強が図られています。この路線は、ドイツ国内だけでなく、ヨーロッパ全体の鉄道ネットワークにおいても重要な役割を果たしています。

運行形態

バーデン本線には、ICE、IC、ECなどの様々な列車が運行されています。地域輸送は、快速列車や普通列車、Sバーンなどが担当しています。これらの列車は、沿線の各都市を結び、地域住民の足として重要な役割を果たしています。

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