バーニング・アップ

マドンナのデビュー・アルバム『バーニング・アップ』は、彼女が1982年にニューヨークのダウンタウンで無名時代に制作したデモテープ「エヴリバディ」がきっかけとなり、サイアー・[[レコード]]との契約へと繋がりました。その後の正式版「エヴリボディ」の商業的な成功を受けて、アルバム制作が開始されました。

当初、プロデューサーとしてレジー・ルーカスが起用されましたが、完成したアルバムはマドンナにとって満足のいくものではありませんでした。そこで、当時交際していたジョン・"ジェリービーン"・ベニーテスを急遽呼び、追加制作が行われました。この追加制作では、多くの曲のリミックスに加え、彼女の代表曲の一つとなる「ホリデイ」が制作されました。

このアルバムには、リンドラム、モーグ、オーバーハイムOB-Xaなど、当時の最新技術がふんだんに使用されており、その斬新なサウンドは特にダンスミュージック界から熱烈な歓迎を受けました。

『バーニング・アップ』は、Billboard 200で8位を獲得し、ヨーロッパ各国でも軒並みトップ10入りを果たすなど、商業的に大成功を収め、全世界で1000万枚を売り上げました。発表当初の批評は必ずしも高くありませんでしたが、21世紀に入ってからは、1980年代を代表する作品の一つとして再評価されるようになっています。

マドンナといえば、MTVにおけるミュージック・ビデオの効果的な活用がよく知られていますが、このアルバムのプロモーション時には、ミュージック・ビデオにさほど力を入れていませんでした。その代わりに、ナイトクラブなどのダンスフロアに焦点を当てたプロモーション戦略が展開されました。マドンナ＝ミュージック・ビデオというイメージが確立したのは、次作の『ライク・ア・ヴァージン』以降のことです。

アルバムには、マドンナ自身に加え、ティナB.、クリスティン・フェイス、グウェン・ガスリーといったバックグラウンドボーカル、ディーン・ギャント、フレッド・ザーらのシンセサイザー、ピアノ演奏、カーティス・ハドソン、レイモンド・ハドソン、アンソニー・ジャクソンらのギター、ベース演奏、バシリ・ジョンソンのパーカッション、ボブ・マラチのテナーサックスなど、多くのミュージシャンが参加しています。

プロデューサーは、レジー・ルーカス、ジョン・"ジェリービーン"・ベニーテス、マーク・カミンズが担当し、エンジニアはジム・ドハティ、ブッチ・ジョーンズ、ボブ・ブランクが務めました。マスタリングはテッド・ジェンセンが担当し、アルバム・デザインはカリン・ゴールドバーグがアートディレクターとして手がけ、ゲイリー・ヒーリーとジョージ・ホリーがフォトグラファーとして参加しています。

参考文献：
Cross, Mary (2007). Madonna: A Biography. en:Greenwood Publishing Group. ISBN 0-313-33811-6

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