レジー・ルーカス

レジー・ルーカス：音楽の多才な才能

レジー・ルーカス（Reggie Lucas、1953年2月25日 - 2018年5月19日）は、アメリカのミュージシャン、ソングライター、そして音楽プロデューサーとして、幅広い音楽分野で才能を発揮しました。特に、マドンナの1983年のデビュー・アルバム『バーニング・アップ』のプロデュースや、パーカッショニストのジェームズ・エムトゥーメとの共同制作、そして1970年代前半におけるマイルス・デイヴィスのエレクトリック・バンドでの演奏で広く知られています。

生い立ちと初期のキャリア

1953年、ニューヨーク州クイーンズのフラッシングで生まれたルーカスは、音楽キャリアの初期段階でR&Bおよびジャズのギタリストとして活動しました。1970年代初頭にはビリー・ポールと共演し、1972年から1976年までマイルス・デイヴィスのバンドで演奏しました。この時期に、彼は後に重要なコラボレーターとなるパーカッショニストのジェームズ・エムトゥーメと出会います。デイヴィスのエレクトリック・バンドには、ピート・コージー、マイケル・ヘンダーソン、アル・フォスターなども在籍していました。

1976年、ルーカスとエムトゥーメは歌手のロバータ・フラックのバンドに加わり、アンドリュー・ベイナスと共に数年間ツアーを行いました。ツアー・ジャズ・ギタリストとしての活動を経て、ルーカスは作曲とプロデュースに重点を置くようになります。

プロデューサーとしての成功

ルーカスはエムトゥーメとの共同制作を通じて、プロデューサーとしての名声と高い評価を確立しました。彼らはステファニー・ミルズ、フィリス・ハイマン、ルー・ロウルズ、スピナーズ、ロバータ・フラックなど、数多くのアーティストのヒット曲を制作しました。1981年には、ステファニー・ミルズの楽曲「燃える恋心 (Never Knew Love Like This Before)」でグラミー賞ベストR&Bソングを受賞しています。

1970年代後半になると、ルーカスはエムトゥーメとの協力を終え、ソロとしての活動を開始しました。自身で楽曲を書き、プロデュースするようになり、インストゥルメンタル・レコード『サヴァイヴァル・シームズ』（1978年）を発表しました。また、マドンナのデビュー・アルバム『バーニング・アップ』（1983年）では、「ボーダーライン」を含むアルバムの大半をプロデュースし、500万枚以上のセールスを記録する成功を収めました。

その後、ルーカスはリビー・ジャクソン、ランディ・クロフォード、フォー・トップスなど、さまざまなアーティストと個別に仕事をしました。フォー・トップスの1985年のアルバム『マジック』には、シングル「Sexy Ways」や、リーヴァイ・スタッブスとフィリス・ハイマンのデュエット曲「Maybe Tomorrow」が収録されています。また、ルーカスは短命に終わったグループ、サンファイアのメンバーでもあり、1982年にリリースされた彼らのアルバムでは、シングル「Young Free and Single」をプロデュースしました。

スタジオ設立と晩年

1986年、ルーカスはニュージャージー州ジャージーシティにレコーディング・スタジオ「Quantum Sound」を設立しました。このスタジオは、ペット・ショップ・ボーイズ、ジョデシィ、ジェフ・バックリィ、セパルトゥラなど、多様なアーティストに利用されました。

ルーカスの娘、リサ・ルーカスは、国立書籍財団（National Book Foundation）の事務局長を務めました。ルーカス自身は、2018年5月19日にニューヨークで心血管疾患により65歳で亡くなりました。

レジー・ルーカスの音楽への貢献は、R&B、ジャズ、ポップなど、多様なジャンルに及びます。彼の作品は、今日でも多くの人々に愛され続けています。

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