バービカン・センター

バービカン・センター（Barbican Centre）

バービカン・センターは、イギリス・ロンドンの商業･居住複合再開発区であるバービカン・エステートに1982年にオープンした、ヨーロッパ最大の文化施設です。この施設は、かつて第二次世界大戦の影響で廃墟となった地区を再開発する形で建設されました。その際、約1億6100万ポンドという巨額の資金が投入され、芸術の中心地としての役割を果たすことが期待されていました。

バービカン・センターは設立当初から「国民へのプレゼント」として女王エリザベス2世によって開場され、以来コーポレーション・オブ・ロンドンが運営を行っています。この施設は、特にブルータリズムと呼ばれる建築様式を代表するものとして知られています。施設内には、コンサートホール、劇場、映画館、アートギャラリー、公共図書館、3つのレストランが併設されており、音楽学部を持つ大学も所在するなど、多彩な文化活動が展開されています。

施設の主な構成

• - バービカン・ホール：ロンドン交響楽団とBBC交響楽団の本拠地で、1949人収容可能なコンサートホールです。音楽の演奏はもちろんのこと、様々な文化イベントも開催されています。

• - バービカン・シアター：1166人を収容できるロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの本拠地としても知られ、演劇やパフォーマンスが行われます。

• - ピット・シアター：小規模な200人収容の劇場で、独自のプロダクションや作品が上演されます。

• - バービカン・アートギャラリー：1400平方メートルの展覧スペースを持つ美術館に加え、800平方メートルの馬蹄形のカーブギャラリーがあります。ここでは現代アートの展覧会が頻繁に行われています。

• - バービカン・シネマ：3つの映画館があり、それぞれ288名、255名、155名の定員で映画が上映されます。特に、2001年にジブリ映画『となりのトトロ』がイギリスで初めて上映されたことで話題になりました。

また、バービカン・センターは現代音楽のコンサートや演劇の上演、アート展など多岐にわたる文化活動が行われる場所であり、グローバル文化地域ネットワークにも加盟しています。特に、2022年には『となりのトトロ』の舞台化が初演されたことで注目を集め、短期間でチケットが完売したことでも広く知られています。

アクセス

バービカン・センターへのアクセスは非常に便利で、最寄り駅にはロンドン地下鉄のセントポール駅、バービカン駅、ムアゲイト駅があり、また国鉄のファリンドン駅やリバプール・ストリート駅も利用可能です。

このように、バービカン・センターは、多彩な文化体験を提供する拠点として、ロンドンの重要な文化ランドマークの一つとなっています。

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