バービカン駅

バービカン駅：ロンドンシティの中枢を担う歴史と未来を繋ぐ駅

ロンドン地下鉄のバービカン駅は、シティ・オブ・ロンドンに位置し、芸術文化の中心地として知られるバービカン・センターに直結する重要な交通拠点です。サークル線、ハマースミス＆シティ線、メトロポリタン線の3路線が乗り入れ、多くの乗客で賑わっています。かつてはナショナルレールのテムズリンクも乗り入れていましたが、2009年3月にムーアゲート支線と共に廃止されました。

地下深く、歴史を刻む駅舎

バービカン駅は、東西に伸びる掘割の中に建設された掘割駅です。線路はトンネル状になっており、地下鉄とテムズリンクの複線が併走する構造となっています。3面4線のホームを持ち、かつては4線全てを使用していましたが、現在では南端の1面が閉鎖されています。駅舎は、アルダーズゲート・ストリート、チャーターハウス・ストリート、ロングレーンといった周辺の道路に面しています。掘割の大部分は開放的な空間となっており、かつてホーム全体を覆っていたガラスの天蓋は1950年代に撤去されましたが、その支持構造物の痕跡が現在も残っています。中央の島式ホーム西端には、使用されていない信号扱所があり、ここからスミスフィールド・ミート・マーケットの下を通る複合トンネルが始まっています。かつては、家畜を鉄道で輸送していた名残です。

名前と場所の変遷、そしてシェークスピアとの噂

駅の開業当初は、駅が位置する通り名から「アルダーズゲート・ストリート駅」と呼ばれていました。その後、「アルダーズゲート駅」、「アルダーズゲート・アンド・バービカン駅」と改称され、現在の駅名に至ります。初期の駅は、アルダーズゲート・ストリート134番地にあり、「This was Shakespeare's House」という標識が掲げられていたことから、シェークスピアゆかりの地として知られていました。しかし、シェークスピアが実際にそこに住んでいたことを裏付ける確固たる証拠はありません。1598年の補助金に関する公文書に「William Shakespeare」の名が見られますが、それが劇作家であることの証明には至っていません。

悲しい歴史と未来への展望

1914年4月14日には、駅の洗面所で7歳の少女マーガレット・ナリーが殺害されるという痛ましい事件が発生しました。この事件は、駅の暗い歴史の一部となっています。駅構内には、駅員によって作られた歴史展示があり、当時の写真や資料などを閲覧できます。

現在、クロスレール建設に伴い、ファリンドン駅東切符売り場がバービカン駅のすぐ西に建設され、両駅間の乗り換え通路が整備される予定です。この工事には、バービカン駅西端の信号扱所の撤去が含まれる可能性があります。バービカン駅は、歴史的背景と未来への展望を兼ね備えた、ロンドンを代表する地下鉄駅のひとつです。

隣の駅

ロンドン地下鉄
サークル線：ファリンドン駅 - バービカン駅 - ムーアゲート駅
ハマースミス＆シティ線：ファリンドン駅 - バービカン駅 - ムーアゲート駅
メトロポリタン線：ファリンドン駅 - バービカン駅 - ムーアゲート駅

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