バーブーダ島

バーブーダ島：カリブ海の秘宝

バーブーダ島は、カリブ海に位置するリーワード諸島の中央部に位置する島です。アンティグア・バーブーダに属し、独自の議会を持っています。

概要

島の面積は約161平方キロメートル、人口は約1,600人です。住民のほとんどは、島の西岸に位置するコドリントンに居住しています。住民は、かつてコドリントン家がサトウキビのプランテーションのために連れてきた黒人奴隷の子孫です。

バーブーダ島は、アンティグア島に比べて開発が遅れており、手つかずの自然が残っています。美しいビーチは観光客に人気です。島の西部と北西部には、コドリントン・ラグーンと呼ばれる広大なラグーンが広がっており、マングローブ、海草、サンゴ礁など多様な生態系を育んでいます。このラグーンは、ロブスター、サンゴ礁の魚、海洋哺乳類、グンカンドリなどの海鳥、タイマイ、オサガメなどのウミガメの生息地となっており、2005年にラムサール条約登録地となりました。

歴史

紀元前2400年頃には、すでにアラワク族が島に定住していました。1493年、クリストファー・コロンブスが第二次航海で島に上陸した際には、アラワク族を追いやったカリブ族が住んでいました。1680年、イギリス人のクリストファー・コドリントン卿とその一族が島に到着し、以降、バーブーダ島はコドリントン家の私有財産となりました。1860年、イギリスはバーブーダ島をアンティグア島と共に併合しました。1976年にはバーブーダ地方自治体法が制定され、一定の自治権が認められました。1981年、アンティグア島と共にアンティグア・バーブーダとしてイギリスから独立しましたが、バーブーダ島の分離派運動はこれに反対しました。

2017年、超大型ハリケーン・イルマが島を直撃し、甚大な被害をもたらしました。島の95%の建物が被害を受け、住民のほとんどが家を失いました。政府は全島民をアンティグア島へ避難させることを決定し、島は一時無人化しました。2018年1月に島民の帰島が許可され、2019年2月時点で約75%が帰還したと推定されています。

政治

1976年に制定されたバーブーダ地方自治体法に基づき、バーブーダ議会が設置されています。議席数は11で、うち9議席は選挙で選出され、2議席は公職によるものです。任期は4年で、2年ごとに半数が改選されます。直近の選挙は2021年4月に行われました。現在の議長はジャッキー・フランクです。

バーブーダ島を拠点とする政党としては、中道左派のバーブーダ人民運動（分離主義）があります。かつてはバーブーダ人民変革運動という地域政党も存在しました。

議会の旗には、グンカンドリが描かれています。

アンティグア・バーブーダにおけるバーブーダ島の位置づけは属領です。そのため、アンティグア島とは異なり行政教区は設置されていません。また、バーブーダ島には5つの地区が設置されていますが、行政機能はありません。

バーブーダ島は、美しい自然と独自の文化を持つ魅力的な島ですが、ハリケーンによる被害や政治的な課題も抱えています。復興と持続可能な開発が、今後の課題となるでしょう。

もう一度検索