バーベロ (潜水艦)

USS Barbero (SS/SSA/SSG-317)

USS Barberoは、アメリカ海軍のバラオ級潜水艦の一隻として、1943年に起工し、1944年に就役しました。艦名は「床屋」を意味するスペイン語に由来しており、魚の一種であるニザダイ科やチョウチョウウオ科の呼称にも関係しています。

艦歴の概要

1943年3月25日にコネチカット州グロトンのエレクトリック・ボート社で建造が始まり、12月には命名され進水しました。艦長アーヴィン・S・ハルトマン少佐のもと、初の哨戒に出たのは1944年8月で、フィリピン近海での活動を行いましたが、戦果はありませんでした。最初の哨戒後、バーベロはフリーマントルに帰投しました。

主要な戦闘行動

バーベロは1944年10月に2回目の哨戒で南シナ海へ向かい、11月2日には陸軍徴用船の鞍馬山丸を攻撃し沈めました。さらに、マニラ近郊ではマシ03船団を発見し、僚艦レッドフィンと共に攻撃を行い、数隻のタンカーを撃沈しました。これらの行動によって、バーベロは合計で3隻の日本商船を沈め、9,126トンの戦果を上げました。

12月には順豊丸という船を攻撃し、その後は帰投途中に日本の航空機による攻撃を受けますが、なんとか逃げ延びました。この戦闘によって艦体は大きく損傷し、戦後はアメリカ本国に回航されました。1946年4月25日には予備役となりました。

戦後の転換と活動

戦後、バーベロは貨物輸送潜水艦に改修され、船体番号はSSA-317に変更されました。再就役後、太平洋艦隊に配属され、貨物運輸能力の評価実験に参加しましたが、1950年に予備役となります。その後、1955年にはレギュラスミサイル発射能力を持つミサイル潜水艦へと改修され、SSG-317に改番されました。

バーベロは1956年までの活動の後、パナマ運河を通過し、大西洋艦隊に加わります。キューバ危機や冷戦時代の緊張の中で、核戦略抑止哨戒任務を行い、その後再び太平洋に戻りましたが、1964年に退役しました。

「ミサイル・メール」実験

1959年、バーベロは郵政公社と協力し、実験的な郵便物の速達輸送法を試みました。「ミサイル・メール」と呼ばれるこのプロジェクトでは、バーベロからレギュラスミサイルを発射し、その中に手紙を入れて運ぶ試みが行われました。この実験は成功し、郵便局の公式活動の一環として記録されました。

郵政長官からも高く評価され、「手紙を運ぶための誘導ミサイルの使用は新たな歴史的意義を持つ」とされ、今後の可能性についても既存の枠を超えた展望が示されました。

結論

USS Barberoは、第二次世界大戦や冷戦時代の中で重要な役割を果たし、その全ての活動を通じてアメリカ海軍の能力を示す存在となりました。その後の技術革新に一役買った存在としても、その記録は海軍史に刻まれています。

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